医療機器業界では、高齢化社会・医療機器のIT化・医療データのオンライン化などにより、医療機器の買替なども増え、今後の伸びが予想されます。
この記事では、医療機器営業への転職を検討している人に、仕事内容や年収、必要な資格などを解説します。医療機器営業という仕事をしっかり理解して、転職活動にぜひ役立ててください。
【目 次】
医療機器業界の現状
医療機器業界は、近年の老齢化と医療機器の開発によって今後さらに需要が高まっていくと予想されます。医療機器は治療や診断に必要不可欠であり、コンスタントに注文が入るので他業界より「安定している業界」といえるでしょう。
とはいえ、国内のほとんどの病院ではすでにMRIやCTなどの大型医療機器を導入済みで、数年に1回の買い替えのみになります。そのため医療機器営業では、製品の販売だけでなく、検査結果や処方・手術など患者から得た情報(医療ビッグデータ)の研究や、患者が通院せずに受診できるオンライン診察など、医療機関にシステムの導入を提案しています。
治療機器
治療機器とは、カテーテルやインプラントなど治療に使う医療機器です。海外のほうが開発が進んでおり、国内の治療機器は国際競争力が弱いといわれています。そのため治療機器は輸入が多く、海外メーカーへの依存度が高くなっています。
診断機器
診断機器とは、MRIやCTといった患者の体を診断するために使う医療機器です。治療機器とは違い、診断機器では国内での開発が盛んで国際競争力があります。たとえば内視鏡は日系企業が世界シェアの約99%の割合を占めています。
※参考:我が国医療機器産業の現状 経済産業省
医療機器の営業職とは
医療機器営業は取り扱う製品によって仕事内容が変わりますが、病院などの医療機関に訪問して医師のサポートをするのが大半です。手術に同席し、医療機器の操作方法を説明する立会い業務や、病院の予算や経営戦略について相談を受けるコンサルティング業務をすることもあります。
MR職との違い
「医療業界の営業職」というとMRと混同されがちです。医療機器営業はその名のとおり医療機器を取り扱いますが、MRが取り扱っている製品は医薬品です。医薬品の効果や用法などの情報を医師に伝え、PRするのが大きな仕事です。
医療機器営業の仕事内容
医療機器業界の営業職がどのような仕事をしているのか、医療機器を製造するメーカーと販売するディーラーに分けて解説します。
メーカー
医療機器メーカーの営業職は、自社製品の販売・製品の説明・アフターサービスをするために病院などの医療機関に定期的に訪れます。ディーラーへの販売も行うので、しっかり受け答えできるように自社製品の知識を頭に入れておく必要があります。
入社後に自社製品について知識を深めるため座学や製品のトレーニングも含めた研修を用意している会社がほとんどです。
ディーラー
医療機器業界にはメーカーのほかにも、複数のメーカーの製品を販売するディーラーがあります。メーカーと同じく医師など医療従事者への販売をしますが、複数のメーカーの製品を取り扱うため幅広い知識が必要です。また、伝票のやりとりや価格交渉といった事務作業を行うこともあります。
医療機器営業の年収・賞与
ここでは医療機器営業の年収や賞与に関して、メーカーとディーラーに分けて紹介していきます。
メーカー
平均年収
平均年収は514.3万円です。
賞与
賞与は年2回もらえる会社が多いようです。夏の賞与の平均は53.9万円、冬の賞与の平均は64.3万円です。
参考:医療機器メーカーの営業の仕事内容とは?doda職種図鑑 転職ならdoda(デューダ)
ディーラー
平均年収
平均年収は410万円です。
賞与
賞与は年2回で7月と12月に支給する会社が多いようです。
参考:平均年収ランキング 転職ならdoda(デューダ)
医療機器営業に必要なスキル・資格
この章では、医療機器の営業に必要なスキルや資格を3つに分けて解説します。
医療関連の専門知識
医療機器を取り扱う営業なので、もちろん医療知識が必要です。しかし、今その知識がなくても、勉強する意欲があれば大丈夫です。入社後の研修や業務で知識を覚えていくことができます。
コミュニケーションスキル
医師などの医療従事者との関係性を築くためには、高いコミュニケーションスキルが必要です。
診察や会議の合間の時間など限られた時間でニーズを確認したり商品説明をする必要があります。担当機器によっては、ひとりの患者さんに対して必要な医療機器を提案することもあるでしょう。医療従事者と同様に物事を考え、的確なアプローチをすることが大切です。
普通自動車運転免許
医療機器の営業職に就くためには普通自動車運転免許を取得しておくといいでしょう。製品を車に載せたり、交通の便の悪い医療機関に訪問することもあり、車での移動が必要になります。
なお、外資系の医療機器メーカーでは免許の停止になると解雇されるケースもあるようです。
プライベートであっても運転には日ごろから気をつけておきましょう。
医療機器営業に向いている人
この章では、どのような人が医療機器営業に向いているのかを解説していきます。
体力があり元気な人
営業職はどの業種でも同じですが1日の大半を社外で過ごし、移動が多くなります。いろいろな場所に赴き、人と話す必要があるのでそれだけ体力があり、元気な人が営業職に向いています。
人との会話が好きな人
どの製品がどのような役割を果たしてくれるのか正確に伝えなくてはいけません。また、医師や看護師との会話を通じて信頼関係を築かなくてはいけないので、人と会い、会話が好きな人は医療機器営業に向いています。
人のために役立ちたいと思える人
医療機器業界は、医療機器を通じて人の役に立つ、社会貢献度の高い業界です。病院にはさまざまな人が訪れます。怪我をした人や病気と闘う人のためを想って動ける人こそが何より医療機器営業に向いています。命を守る仕事はそれだけやりがいも大きいです。
医療機器営業に転職するための方法
この章では実際に医療機器営業に転職するための方法を解説します。ぜひ転職に役立ててください。
医療関係者の人脈を利用する
医療機器メーカーやディーラーに知り合いがいれば自社に紹介してもらう社員紹介制度を利用したり、医師の紹介で採用のチャンスをもらったりなど「医療関係者」から推薦を受けることができる方法も探してみましょう。
転職エージェントを利用する
医療機器業界は専門性の高い業種のため、求人は転職エージェントに集まりやすいといえます。
また、転職エージェントでは履歴書の添削や面接の対策までサポートしてくれるので心強く転職活動がすすめられるでしょう。
まとめ
医療機器営業は必要な資格は特にありませんが、「人の役に立つ」「命を救う」ことに関連した仕事なのでやりがいがあるといえるでしょう。更に専門知識が備わるため給与も高い傾向にあります。
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