外資系企業は一般的に、高収入で能力に応じたフェアな評価がされるというイメージがあります。外資系企業に転職するには何をするべきなのでしょうか?
外資系企業の日系企業との違いについて
文化が違う
外資系企業とは、日本以外の国からの資本金で設立された企業です。つまり、会社の意思決定をする経営層が、外国人または、その文化に近い人であるということになります。
外資系企業で働くということは、異文化で培われた考え方の持ち主と働くということで、下される評価も予想外な場合があるのです。
転職に関しての捉え方が異なる
厚生労働省調査の2015年転職者実態調査の概況(PDF)によると、転職者がいる事業所の割合は35.7%でした。転職経験者は企業の就労者の半数以下です。
一方、アメリカ合衆国労働省労働統計局の2015年3月31日のニュースリリース(PDF)では、1957年~1964年生まれの人々が18歳から48歳までに経験した職業数の平均は11.7。転職回数がキャリア形成において不利にはならないことが伺えます。
日本国内に支社がある外資系企業においても、転職の回数は評価の対象にはならないことが多いので、スキルアップ・キャリアアップを目指すのであれば、積極的に飛び込んでいきやすいことでしょう。
何よりもオープンなコミュニケーションが重要
また、外国人上司には「察する」という日本人が得意とする言語外のコミュニケーションは通用しないと思っていた方が無難です。
上司からの指示を遂行するのは当然ですが、実行できないことが判明した場合、日本人上司であれば部下の様子から察している可能性があるので、結果報告のみで問題はないかもしれません。
ところが外国人上司の場合、途中経過の報告をせずに結果だけを報告すると「引き受けた仕事を実行できない」または、「意思が通じない」と思われてしまうこともあるのです。細かな途中経過を明確に報告することが重要なのです。
外資系企業に転職したい!どんな募集が多い?
なぜ外資系企業が日本へ事業を展開するのか?
外資系企業ではどんな職種の募集が多いのかをその存在理由から見てみましょう。
経済産業省の外資系企業動向調査(2015年度実績)による日本で事業展開する上での魅力によると、第1位は「所得水準が高く、製品・サービスの顧客ボリュームが大きい市場の規模」でした。
セールスやマーケティングが有望
外資系企業が、日本で事業展開をする目的は、自社の製品を日本で売ることなのです。外資系企業は日本で売るための、日本という市場に精通した、マーケティングやセールスに秀でた人材が必要なので多くの求人があります。
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その他専門職の募集も多い
その他の求人で多いのは、どの会社にも必要な財務・経理職です。
また、世界展開をする外資系企業は、全世界の法人がつながる社内ネットワークを利用し、出身国の本社が統轄しやすいようなシステムを利用しています。
システム開発はインド、データセンターはシンガポールやマレーシアというケースが多いので、日本法人にも当然IT職のニーズもあります。
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外資系企業に転職するためのコツは?
英語力は必要
経済産業省の外資系企業動向調査(2015年度実績)によると、「日本人の人材を確保する上での阻害要因」の第1位は「英語でのビジネスコミュニケーションの困難性」でした。
外資系企業が求めているのは流暢な英語力と日本語力です。外資系企業への転職を目指すのであれば、英語は地道に訓練するべきでしょう。
裏を返せば、英語さえできれば外資系企業への転職のハードルはグッと下がるものなのです。
英語力プラスアルファを持つ
もしも英語がそれほど流暢でないのなら、専門性を高めるというのも重要です。
外資系企業は、英語も日本語も流暢な人材を求めています。英語が流暢な人材が採用されやすいのですが、英語が流暢で専門性も高いという人は多くはありません。
そこで、少しの英語とある分野の高度な専門性両方を備えることで候補の一人になることは可能なのです。
英語が今ひとつでもグローバルに働く方法
英語が流暢ではない場合、視野に入れるべきは世界展開している日本企業の海外法人です。
海外の日本企業であれば管理職は日本人であることが多いので、100%外国資本の在日本企業にいる日本語ゼロの上司と働くよりも、必要な英語のレベルが低くてもよい場合があります。
日本企業の現地法人で、外国文化に触れながら英語で仕事をする経験を積むのもひとつのキャリアアップの方法です。
外資系企業への転職活動の留意点
エージェントとの面談は1次面接と考えて臨むべき
外資系企業は採用プロセスの軽減のため、転職エージェントに活動を依頼していることがほとんどです。よって外資系企業への転職の第一歩は転職エージェントに連絡することになります。
転職エージェントは、外資系企業の管理職と良好な関係を持っていることも多く、そのエージェントのみに依頼されている情報が存在する場合もあります。自分のことを高評価してくれるエージェントとの出会いが、良い転職への第一歩です。
エージェントとの面談は1次面接と考えて臨みましょう。
なぜなら、最初の面談で、あなたのコミュニケーションスキルや人柄などのソフトスキルを見ているからです。ここでうまくあなた自身のことをアピールできれば、良い求人を紹介してもらえる可能性が上がります。
外資系に特有なリファレンスチェックに備える
最後に全ての外資系企業の採用過程特有の、「リファレンスチェック」について説明します。
リファレンスチェックとは、現在または過去に働いた職場の上司などからのリファレンス(紹介状)を確認する選考過程です。
全ての採用でチェックされるわけではないですが、他の過程を通過したのに、リファレンスチェックでつまずかないために、現在の職場でも良好な人間関係の構築や、懸命に仕事をすることは大切なのです。