一般職に比べると管理職の転職は難しいというイメージをもっていたり、実際に話を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。しかしその詳しい理由まではあまり知られていないかもしれません。ここでは管理職の転職が一般的に難しいといわれる理由を説明するとともに、管理職の方がよりよい職場への転職を成功させるポイントについてもお伝えしていきます。
管理職の転職が難しい5つの理由
管理職の転職が難しいといわれる理由は、大まかに分けて5つあります。その理由を解説していきます。
転職サイトに求人が少ないため
一般の転職サイトには、管理職の求人数が多くありません。転職サイトは一般職の方を対象とした転職案件が多数掲載されており、管理職の求人は2割程度だといわれています。理由としては、管理職を求める企業は一般選考ではなく、ヘッドハンティングで採用するケースが多いことが考えられます。
選考での判断が難しいため
管理職の業務は、部下の育成や管理経営者層との折衝、外部企業との交渉など多岐に渡ります。そのため職務経歴書や面接だけで、管理職の適性や能力を判断することが難しくなっています
今以上の条件を探すことが難しいため
管理職として勤務していても、現在の会社よりよい条件を必ずしも見つけられるとは限りません。管理職は一般的には残業代などが支給されないため、待遇が悪化することもあります。
会社間の格差が大きいため
管理職は一般職と比べると、会社間の格差が大きいのも特徴です。管理職に与えられる裁量は会社の業務規程により変わる傾向があります。 一般社員に比べると労働基準法に守られる部分が少なくなるので、会社によって待遇や格差が大きなものになります。
実績プラスアルファの能力が求められるため
管理職待遇で転職した場合は、即戦力としての活躍が求められます。数字としての実績だけではなく、前任者の残務や、新規プロジェクトの立ち上げといった課題が与えられることもあります。実績以上の責務を求められるなど期待が大きく、それだけに転職が成功しにくいのです。
難しい管理職の転職、メリットとデメリットは?
決して簡単とはいえない管理職の転職ですが、転職した場合のメリットとデメリットを説明してきます。
管理職の転職のメリット
管理職の転職のメリットは、年収やキャリアアップだけではありません。現在の会社に不満がある場合は、今後のキャリアに対する不安や業務に対するマンネリ解消にもつながります。
年収やキャリアがアップする
転職することで、年収アップやキャリアアップの可能性が広がります。管理職は残業代が支給されなくなりますが、転職によって現在の会社より好待遇の年収が見込める場合があります。キャリアを積めば、さらなる出世にもつながります。
将来への不安解消につながる
現在の会社に不満がある場合は、転職することで不満を解消でき、新たな環境でキャリアを活かしながら働くことができます。さらに、会社や業界の将来性に不安がある場合も、他社や別業界の管理職に転職することで不安を解消できます。
ヘッドハンティングなど有利な場合がある
管理職の転職に使われる方法として、直接声を掛けられるヘッドハンティングがあります。 実力が認められれば、転職サイトのエージェントや知人から声がかかることもあります。その場合は、好待遇であるケースが多く、有利に転職活動を進めることができます。
現職に対するマンネリ感を解消できる
管理職は仕事に対する裁量権が大きいポジションです。与えられた仕事をこなしているだけではなく、自分でプロジェクトを立ち上げて新規事業を作ってみたいという方にとっては、管理職は刺激のあるポジションといえるでしょう。他社の管理職に就くことで、新規事業に取り組むことも可能です。
管理職の転職のデメリット
管理職の方が転職する前にはそのデメリットもしっかりと把握しておきたいものです。デメリットを知ることで、転職がよりよい選択であるかどうかを判断できます。
転職後のプレッシャー
管理職として転職するからには、最初から高い成果を期待されます。新しい部下の管理に加えて、新規プロジェクトを立ち上げて成功につなげることを求められるケースもあるでしょう。既存のポジションでもそれまでより高い数字の達成を求められるなど、多岐にわたったプレッシャーが生じる可能性があります。
スキルや実績を活かせない求人である可能性
管理職の求人の中では、管理職ではなく管理職候補として求人が出されていることもあります。その場合は、今まで培ったスキルや実績が活かせない可能性もあり、待遇も期待していたものとはギャップがあるケースもあるので注意しましょう。
難しい管理職の転職5つの成功ポイントとは?
管理職の転職の難しさと、それに伴うメリットやデメリットを理解したうえで、難しいといわれる管理職の転職に関して成功のポイントを確認しましょう。
ポイント1:転職先の規模を決める
まず、大手企業か中小企業のどちらに転職するのかといった転職先の規模を決めます。中小企業に転職する場合は管理職といえども実務能力を求められることが多く、実務に自信のある方は最初から活躍しやすいといえます。
対して大手企業は、多くの人員やプロジェクトをマネジメントする能力が求められるので、より“管理”に特化した能力が求められます。
ポイント2:希望条件を明確にする
自分が転職先に対して年収や待遇、勤務地などどのような条件を求めているかも明確にしておく必要があります。このポイントが明らかになっていないと、どのような会社を選んでいいか分からず、転職した後に後悔する可能性もあります。現職でのスキルを活かせるかどうか、情報を集めて判断しておきましょう。
ポイント3:志望動機を明確にする
転職したい理由とその会社を志望する動機を明確にしておきます。管理職になると、部署の業績に対し大きな責任を負います。会社の取り組みや理念を理解し、本当に自分がその会社を心から志望しているのかあらためて考え直して、動機を明確化しましょう。
ポイント4:自己分析・キャリアの洗い出しを行う
管理職に限らず、転職前には必ず自己分析とキャリアの洗い出しを行いましょう。 「自分がこれまでどんな業務に携わり、どんな能力を培ってきたのか」、「どんなことに自信があるのか」をあらためてピックアップします。そうすることで、新しい会社でどんな活躍できるのかを明確化でき、面接でアピールしやすくなるのです。
ポイント5:転職サイトを活用する
転職を成功させるためには、転職サイトのアドバイザーを活用することも重要です。アドバイザーはさまざまな企業を含め、転職市場を熟知しているため、話を聞くことで面接対策や入社前と入社後のギャップを埋めることができます。
マンパワーグループのCCAREECRE(キャリクル)など、転職希望先の社内事情に熟知したアドバイザーがいるサイトに登録し、転職活動をサポートしてもらえば転職成功の可能性がぐっと高まります。
管理職の転職3つの注意ポイント
管理職の転職を成功させるためには、いくつかの注意点を知っておく必要があります。転職した後に後悔しないためには、以下の3つの点を熟知しておいてください。
転職先が求める人材を把握する
転職先がどのような人材を求めているのかを、きちんと知っておきましょう。欠員を埋めるために管理職を募集する場合は、業務をそのまま引継ぐことになります。一方で新しいプロジェクトを立ち上げる管理職であれば、保守的な能力ではなく革新性を持ってビジネスを立ち上げる能力が必要です。自分の能力とのギャップがないかをしっかりと調べておきましょう。
転職先の状況・体制を確認する
転職先がなぜ管理職を求めているのかを調べておく必要があります。求人の中には、残業代を抑制するための、名目上の管理職に過ぎない案件もあります。転職したい会社の状況や体制を知りたいときは、転職サイトなどに登録しておけば専任のアドバイザーから教えてもらうこともできるため、積極的に利用するのもいいでしょう。
転職先の規定を確認する
会社や管理する部下の人数やプロジェクト内容などによっては一般職よりも管理職の方がどうしても残業時間が多くなってしまったり、休日が少なかったりする場合もあります。
求人情報には休日規定や勤務時間規程、平均的な残業の時間が記載してあっても、転職後に実際働いてみたら前情報より残業が多くあるケースもあります。そのため、残業規定や給与規定だけではなく、会社の内情や待遇についても、しっかりと確認しておきましょう。
まとめ
ここでは管理職の転職を成功させるポイント、また転職する前にチェックしておきたいポイントや注意点をお伝えしました。
マンパワーグループのCAREECRE(キャリクル)では、求人企業についての豊富な情報に加え、転職を志す方のために転職時に必要な履歴書・職務経歴書の書き方、さらには面接での回答などのアドバイスを行っています。難しいともいわれる管理職の転職を、経験豊富なコンサルタントがサポートします。
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