ビジネスに活かせるコーチング!
「チャンクダウン」を知ろう

チャンクダウン

ビジネスシーンにおいて、問題解決や目標達成のためにコーチングの導入を検討しているケースもあるのではないでしょうか。

この記事では、職場でのコーチングに使われる「チャンクダウン」を実践しようとしている方向けの内容を紹介します。チャンクダウンのメリットや具体的な方法などを知り、ビジネスシーンにおける問題解決や目標達成に役立ててください。

「チャンクダウン」とは?

ここでは、チャンクダウンが何かについて解説します。実践の前にまずは定義を確認しておきましょう。

チャンキングが使われるのは?

「チャンキング」とは、頭の中にあるバラバラの情報をグループ化して記憶に留める思考法です。「ひと塊」や「まとまり」を意味する「チャンク」という言葉に由来しています。

チャンキングには3種類あり、それぞれチャンクダウン、チャンクアップ、水平チャンクと呼ばれています。目的に応じて使い分けをすることになります。

問題を明確化したい場合や、クライアントの悩みを解決するために、チャンキングして問題を掘り下げたり、より広い視野でものごとを考えたりする場合にも用いられる考え方です。

チャンクダウンとは?

チャンクダウンとは「チャンキング」のひとつで、大きなまとまり(論点)を目的に沿って細分化する方法です。「具体化」とも呼ばれています。

チャンクダウンすると、チャンクを細かく具体的にとらえられるようになります。問題が明確になることでイメージがしやすくなり、次にとるべき行動や対策がわかります。たとえば「業績を向上させたい」では問題が大きくて漠然としてしまうところを、チャンクダウンすることで「まず必要なものはなにか」「関連部署はどこになるのか」「スタートのタイミングはいつか」などの行動につなげられるようになります。

この手法は自社内に限らず、クライアントとの交渉や打ち合わせの場でも有効です。チャンクダウンは一般的に「質問形式」で実施されます。

チャンクアップとは?

チャンクアップもまた、「チャンキング」のひとつです。チャンクダウンとは反対に、あるものごとをより大きなまとまりにして捉えます。複数の事柄をひとつにまとめることから、「抽象化」とも呼ばれています。

チャンクをより上位から捉えて考えると、問題の解決方法を探ろうと狭くなってしまった視野を広げられるという特徴があります。議論が進んで停滞してしまった際に、「議題」や「問題」を今一度振り返って、なんのための議論なのかを思い出す際にも使われます。

水平チャンクとは?

水平チャンクとは、あるチャンクと同じレベルに位置している別のチャンクを模索することを指します。議題を横にずらし、選択肢を広げるために使われる考え方です。例を挙げると、総務部や開発部は、「部」という同じレベルにあることが分かります。このように、水平チャンクは並列的な視点でものごとを捉えます。

チャンクダウンでできることとは?

チャンクダウンをすると、問題の原因となっている事柄を言語化・可視化できます。部下の悩みを問題解決に導いたり、クライアントの要望に解決策を提示したりすることが可能となります。目的や意義、取るべき行動が明確になり、広すぎる話題や問題を掘り下げて考えられるためです。

チャンクダウンは問題や要望の解決だけでなく、抽象的だった目標に対して具体的なアプローチ方法を見出すことにも有効です。そのため目標設定や共通認識を得る場でも利用されます。

チャンクダウンのメリットとは?

チャンクダウンのメリットは、問題の目的や意義、行動を共有したり、明確化したりすることで、社員の士気を向上させられる点です。また、問題解決のための課題を見出せる点もメリットのひとつです。

さらに、チャンクダウンをすることで、問題の根本的な原因に気がつける場合もあります。ものごとを細部にまで落とし込んで考えるため、原因の根本が分かれば具体的な行動指針を打ち出せるようになります。

チャンクダウンを使うためのポイントとは?

チャンクダウンを使う際には紙に書き出しながら、議論や話し合いを進めるとよいでしょう。メモや図で俯瞰すると、問題の原因や付随して発生している問題を一望できるため、対策方法について新たな気づきが得られます。

意識するべきポイントは、チャンクダウンは具体的な解決方法、行動の指針を示すものであるということです。あくまでも問題解決につながる行動の「具体化」をするための考え方であることを念頭に置いて議論を進めましょう。

チャンクダウンのやり方とは?

チャンクダウンのやり方についてここで説明します。質問内容や進め方について、具体例を紹介するので参考にしてください。

チャンクダウンの質問とは?

チャンクダウンでは、質問を使うとスムーズに話を進められます。まずはオープンクエスチョンで相手の考えを引き出しましょう。オープンクエスチョンとは、「Yes」か「No」で答えられない質問のことで、相手の発想を引き出す方法です。オープンクエスチョンにより、相手は自分の目標を具体化できるようになります。

具体的には次のような言葉を使って質問します。

・具体的に、たとえば、ほかには、詳しくいうと
・どんな行動
・どういうこと、意味
・どのくらいの費用、時間

これらの質問をメインに議論を進めると、具体的な行動指針や問題の解決方法が見えてきます。

チャンクダウンの進め方

チャンクダウンの進め方は、オープンクエスチョンで相手から引き出した言葉を細分化して、問題点を具体化できるまで掘り下げることです。問題点を掘り下げるためには、先述したチャンクダウンの質問を駆使するとよいでしょう。

そして問題の原因を特定した後には、対策方法を考えて相手と共有します。対策方法もチャンクダウンの質問によって見えてくるため、積極的に相手や自分自身に問いかけましょう。

チャンクダウンの具体例

たとえば、「風通しのよい職場作りをしたい」という考えをチャンキングしてみましょう。この際、「必要性」の観点でチャンクダウンをしていきます。その結果「職場内に発言しにくい雰囲気があるため風通しを良くしたい」という理由が出たとします。すると、「風通しのよい職場を作ることで社員それぞれの発言力を高め、チーム内の結束を図る」という目標ができます。

次に、具体的に風通しのよい職場を作るには、どうしたらよいのかオープンクエスチョンを駆使して掘り下げてみましょう。すると「会議の場で自由に発言できる時間を作る」「部下が上司に対して発言した場合、上司は部下の意見を受け入れる姿勢をとる」といった具体策が見えてくるでしょう。

まとめ

チャンクダウンとは、ものごとを細分化して問題を「具体化」する考え方です。オープンクエスチョンの質問を活用することで、スムーズにチャンクダウンを進められます。自分の考えをまとめるときや、部下やクライアントに質問するときなど、様々なシーンで活用できることでしょう。

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