求職活動では、履歴書の準備が必要になります。その際に、履歴書を手書きで書くかパソコンで作成するか迷う方もいるでしょう。この記事では、作成方法による採否への影響や、業種による作成方法の傾向などを解説します。自身の応募先企業に合わせた作成方法を知ることで、就職や転職活動に役立ててください。
履歴書作成は手書きとパソコンどちらが適している?
応募先企業側から指定がない場合は、手書き、または、パソコンのどちらで履歴書を作成しても、採用の可否に大きな影響を与えることはありません。企業が重要視するのは、履歴書に書かれた内容であり、作成方法ではないからです。個性を出したい、効率よく履歴書を作成したいなど、それぞれの目的に合わせて柔軟に作成方法を選択するとよいでしょう。
ただし、フォーマットが指定されている場合には従うようにしましょう。
履歴書とは?
履歴書には、応募者の住所・氏名・連絡先・学歴・職歴などに加え、資格、志望動機、趣味などを記入する定型フォーマットがあります。これらをすべて記入することで、応募者の情報が網羅され、採用後には個人情報として企業側に保管されます。また、履歴書の学歴や職歴は、転職時の給料査定のポイントにもなります。
履歴書作成時の注意ポイントとは?
履歴書作成時における手書き・パソコン共通の注意点をご紹介します。
まず、文字の大きさやバランスなどに注意し、全体的に見やすい履歴書になるように心がけます。履歴書の誤字脱字は厳禁です。作成後は、文末表現や年号表記が統一されているかも含めて必ず確認しましょう。
手書きかパソコンか迷ったときは?
官公庁や歴史が長い企業、ハローワークや紙媒体の求人誌に募集をかけている企業には手書き、外資系企業やIT企業、転職サイトなどを利用する応募ではパソコンで作成したほうがよいでしょう。判断に迷った場合は、応募先企業へ直接問い合わせる方法もあります。
履歴書は手書きかパソコンか… 採用担当者の意見は?
採用担当者にとって、手書き、または、パソコンのどちらが好ましいのでしょうか。作成方法によって担当者からの評価も気になるところです。転職サービスサイトが企業の人事担当者を対象に実施したアンケートでは、中途採用の担当者の42.7%が「どちらでもかまわない」と回答しています。
経験や実績、スキルといった記載内容を重要視しているため、不備がなければ作成方法にはこだわらない担当者が多いといえるでしょう。「手書きのほうがよい」と回答したのは27.2%で、応募者の人柄がわかる点が理由としてあげられています。
逆に「パソコンで作成したほうがよい」と「どちらかと言えば、パソコンで作成したほうがよい」の回答の合計は14.6%です。パソコンで作成された履歴書は、見やすさや扱いやすさの点でメリットがあり、パソコンのスキルチェックにもなるという理由をあげています。ただし、作成方法自体が評価の対象になることは稀で、あくまでも内容重視であることを念頭においておきましょう。
履歴書の作成!手書きとパソコンを徹底比較
ここでは、履歴書を手書き、または、パソコンで作成する際の具体例をそれぞれあげ、比較してみましょう。
手書きの履歴書
手書きの履歴書が向く業種とは?
手書きの履歴書が向くと思われる業種として、接客・販売、医療事務などの受付業務があげられます。さまざまな人と対面する業種では、人柄や丁寧さが求められることから、応募者の人物像が現れやすい手書きが向いているでしょう。また、経験や実績、スキルで判断できない新卒採用においても、応募者の個性や人柄を見るために手書きの履歴書が好まれるようです。
作成時のポイント
履歴書用紙は「JIS規格履歴書」を用いるのが一般的です。近年は、学歴・職歴欄を広げたJIS規格履歴書の類似品もあり、アピールポイントがある場合は、それぞれの記入欄が広いものを選びましょう。用紙のサイズは、企業での書類はA4サイズに統一されているため、企業側の保管・管理を考慮してA4版を選択しておきましょう。
筆記用具は、黒のボールペン、または、万年筆を使用し、文字の大きさを揃えて、楷書で丁寧に記入します。この際に、消せるボールペンや修正テープは使用しないようにします。書き終えたら、一文ずつ見直して誤字脱字を防ぎましょう。
パソコン作成の履歴書
パソコン作成の履歴書が向く業種とは?
パソコン作成の履歴書が向いている業種は、IT関連、通信、インターネット関連、外資系企業、金融関連があげられます。これらの企業では、日常的にパソコンを使用するため、体裁を整えた見やすい履歴書は、自身のパソコンスキルの証明にもなります。また、手書きよりも作成時間を短縮できるので効率的です。
それ以外の業種でも、応募受付がWEB(ホームページ)で行われている企業では、パソコン作成の履歴書でも問題ないでしょう。
作成時のポイント
履歴書作成時のソフトは、多くの企業がビジネス文書作成に使用している「Word」または、「Excel」を選びます。これらのフォーマットで作成した履歴書は企業側に送信した際に、「ファイルが開けない」「レイアウトの崩れ」などのトラブル発生をある程度予防できるからです。
さらに、PDFファイルに変換してデータを送信すると「レイアウトの崩れ」の他に、「文言の改ざん」といった問題も防止できます。履歴書全体のフォントは「明朝体」や「ゴシック体」などで統一し、フォントサイズは、氏名など強調したい箇所以外は10.5pt~11ptで揃えるとバランスがよいでしょう。
履歴書はビジネス書類にあたるため、太字や下線などのレイアウトは不要です。印刷には普通のコピー用紙ではなく、上質紙や履歴書印刷専用紙を使いましょう。
手書きとパソコン作成!それぞれの履歴書のメリット・デメリットとは?
手書きとパソコンで作成する履歴書には、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか解説します。
手書きの履歴書のメリット
採用担当者は、手書きの履歴書から「人柄」を読み取ろうとすることがあります。効率的なパソコンよりも手書きで丁寧に書かれた履歴書のほうが、応募者からの熱意が感じられるという理由です。美しい文字は好印象を与えますが、あまりにも汚い文字で自信がない場合は、履歴書が読みにくくなる可能性があるため、応募要項として指定がない限り手書き作成は避けたほうがよいでしょう。
手書きの履歴書のデメリット
手書き作成のデメリットは、時間と手間がかかるという点です。応募のたびに手書きで作成し、誤字脱字や修正したい箇所がある場合は、新たに作成しなければなりません。その都度、新しい履歴書が必要になるため、費用の負担も増えてしまいます。手書きに慣れていない場合は、時間がかかってしまうというデメリットもあります。
パソコン作成の履歴書のメリット
パソコン作成のメリットは、何といっても作成時間の短縮といえるでしょう。内容の修正をしたい場合は、はじめから作成しなくても、該当箇所だけを入力し直すだけで作業は完了します。
また、フォーマットに入力して保存しておけば、志望動機などを書き換えるだけで、他の応募先企業への使用も可能です。体裁が整えられた履歴書は見やすく、パソコンスキルの証明にもつながります。
パソコン作成の履歴書のデメリット
パソコンに保存した履歴書のフォーマットを一部修正して、別の応募先企業へ流用できますが、修正を忘れてそのまま提出することのないよう注意が必要です。
まとめ
履歴書は、応募先企業から指定がない場合は、手書き、または、パソコンのどちらで作成しても採用の可否を決定づけることはありません。ただし、募集要項に指定がある場合は、応募先企業に従いましょう。指定がない場合には、応募先企業の業種や転職活動に使える時間などを考慮して見やすい履歴書を作成しましょう。
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