初めての転職活動で面接に臨む際に、どんな挨拶をすればよいか迷う方も多いでしょう。学生の就職活動と社会人の転職とでは、面接で注意すべきポイントが異なります。
この記事では転職に際しての面接における各種のマナーをご紹介します。名刺交換の必要性や持参物、自己紹介の仕方など確認し、万全の態勢で転職での面接に臨んでください。
最初の挨拶では名刺を渡すべきか
名刺の交換は、所属する会社の一員として、その会社で自分がどういう立場にいるのかを表明するものです。転職活動の際は、会社員としてではなく、個人として面接を受けます。そのため名刺を渡す必要はありません。
むしろ自分から名刺を渡してしまうと、なぜこの人は転職の面接なのに名刺を渡してくるのだろうと、常識を疑われてしまうこともあります。
名刺をもらった場合の対応方法
面接前に面接の担当者名刺を渡されても基本的には自分の名刺を渡す必要はありません。ただし、先方から名刺をいただけますかと言われた場合に備えて、交換できるように現職の名刺は持参しましょう。もし持っていない場合は、素直に「本日は持ってきておりません」と伝えれば問題ありません。
なお、すでに退職している会社の名刺を渡すのは厳禁です。退職時に会社の名刺は返却するものであり、他者に渡すものではありません。
もし名刺をもらったら、いただいた名刺は軽く確認した後、名刺入れの上に置くようにしましょう。名刺入れの置き場所はテーブルの右端です。面接が終わってから、先方がどんな人物だったかなどを軽くメモしておくと、後で確認する際にも便利です。
面接でもらった名刺の管理方法
もし転職面接で名刺をもらった場合、その方がのちに同僚や上司になる場合もあります。また、どこかで仕事上で関係をもつ可能性もあります。もらった名刺は後で確認できるように管理しましょう。
以下に適切な名刺の管理方法をご紹介します。
アナログで管理する
名刺ホルダーなどに保管しておけば時系列や50音順など好みで整理できるうえ、デジタルデータのように記録が消える事故を避けられます。
名刺の裏に会った日や会話をした内容などをメモすることができます。
デジタルで管理する
最近ではアナログだけではなく、デジタルで名刺を管理する人も増えています。
デジタルで管理することの最大のメリットは、検索しやすいことです。管理する名刺の量が多い場合には、データ化することで収納スペースは最小限で済みます。またスマートフォンなどのアプリを活用すると、移動先など場所を問わず必要な名刺の情報が確認できます。
自己紹介のやり方
面接では、最初に自己紹介を求められることが多いです。久しぶりに面接を臨む人は自己紹介で何を言えばいいのか、迷ってしまうかもしれません。そこで、新卒の面接時との相違点や求められるマナー、自己紹介の方法をお伝えします。
好印象な自己紹介
まず相手に好印象を与える自己紹介にするためには、話し方に気を配りましょう。商談などと同じく、相手に好印象を与えるためには、しっかりと相手の目を見てハキハキと分かりやすく話すことを心がけましょう。
自己紹介は、個人的なことではなく、自分がどのような仕事をしてきたかについて話します。実績については、具体的な数字を盛り込むとより説得力が増すでしょう。目安として約1分間にまとまるよう、事前に練習しておくとよいでしょう。
自己紹介でしてはいけないこと
自己紹介の際には、個人的なことや学生時代のことを話す必要はありません。転職の面接の場合、あなたは即戦力として活躍することを求められています。仕事の話のみを簡潔に行いましょう。
新卒の面接時はゼミなどの勉強をはじめ、部活動やサークル活動の話も必要になったかもしれませんが、社会人になってからの転職の場合は不要です。あなたの立場は学生ではなく社会人であるという点に気をつけましょう。
転職面接で気をつけたいマナー
転職の面接では服装や立ちふるまいなどのマナーに気を配ることも重要です。短い時間で相手に好印象を与えるためには、相手が不快にならないような行動や服装を心がけて、面接に臨むようにしましょう。
時間
早すぎる到着は避けましょう。先方にも面接以外の業務があるため、予定より早すぎるタイミングで応募者が到着すると、その分、仕事の時間をずれたり削られてしまうので負担をかけてしまいます。
一方、遅刻も厳禁なので余裕が持てるよう、先方の会社には15分前には到着することを心がけます。そして再度募集要項などを確認し、予定の5分ほど前になったら、訪問するようにしましょう。
身だしなみ
自分にあったサイズを選び、清潔感を重視しましょう。
日々スーツを着ている人でも改めてスーツのシワや匂いなどを確認しましょう。足元も見られますので、靴もきちんと磨いておきます。整髪料や香水などの匂いは抑えめにします。女性のメイクはナチュラルメイクにしておき、男性は髭をそっておきましょう。
服装についてもっと詳しく知りたい方はこちらの記事もオススメです。 「転職面接で好印象を与える服装とは 男女別やシーン別にポイントを解説」
受付
先方の会社に到着したときから選考は始まっていると思いましょう。
受付に担当者がいる場合でも、内線電話の場合でも自分の名前、訪問先である面接担当者名、要件を必ず伝えましょう。面接担当者の名前は再確認できるようにメモ帳などに控えておくのがおすすめです。
入退室
面接を行う部屋には、ゆっくりとノックしてから入室します。ノックの回数については基準がまちまちですが、2回もしくは3回でよいでしょう。そして「どうぞ」と言われたら部屋に入ります。
大抵の場合はその後に着席を求められるので、そこで初めて椅子に座ります。勝手に座ったり、面接担当者に背中を見せたりするような動きは厳禁です。
表情
面接において、第一印象はとても大切です。できるだけ明るい印象を与えるよう、多少オーバーとも思われるくらいに表情を作り、面接担当官の言葉にもリアクションすることを心がけましょう。自分で明るい表情を作っているつもりでも、慣れていない方はそう見えないこともあります。少しぐらい大げさに表情を作るほうが、明るい雰囲気を作り出せます。
声
暗く、ぼそぼそとした印象を与える声は面接の印象が悪くなります。とはいえ、怒鳴るような大声は不要です。ハキハキとしっかりとした発声を心がけましょう。
緊張しているとつい早口になってしまいがちですが、意識してゆっくりと相手に理解しやすいように、そして語尾までしっかりと発声します。一度友人などに模擬面接をしてもらい、問題点を指摘してもらうとよいでしょう。
質疑応答
面接の最後に、面接官から何か質問はありますかと質問を求められることがあります。そこで「特にありません」と言ってしまうと、「この人はうちの会社に関心がないのかな」と思われてしまいます。
そのため、できる限り面接の中で触れた内容について質問をするとよいでしょう。また「前の会社ではこうだったのですが、御社ではどうですか」というように、前の会社の悪口を盛り込んだ質問をするのもNGです。前向きな内容の質問をしましょう。
面接時に逆質問を受けたときの詳しい対応方法はこちらの記事でも紹介しています。「転職の面接で逆質問するときのポイント 注意点と具体的な質問例」
転職面接時の持ち物
転職の面接時に忘れ物をして時間どおりに会場に現場に着けなかったり、先方に求められた書類を出せなかったりすると、面接をする前からマイナスイメージにつながってしまいます。面接に赴く前に、あらかじめ準備すべき転職面接時に必要になる持ち物をチェックしておきましょう。
応募書類
自分が応募時に提出した履歴書や職務経歴書は印刷して、面接前に確認しておきましょう。自分がどんなことを書いたのか再確認し、履歴書や職務経歴書と面接の回答に矛盾がないようにします。
あわせて、あらためて自分の強みや主張したい経歴を再確認します。また、面接時に伝えたいことをしっかりと言えるように、シナリオを頭の中で作っておきましょう。
募集要項
企業の募集要項は、プリントアウトして持ち歩き、面接の直前に再確認しましょう。
先方は募集要項を読んでいるという前提で面接を行います。特に求められる人材や募集ポジションが記載されている場合、その内容から、どのような質問が来るのかを想定しておくと、落ち着いて受け答えできるでしょう。
身分証明書
免許証や保険証といった身分証明書も、必ず持ち歩いておきます。最近は企業のセキュリティのため身分証明書がないと、中に入れないことがあります。担当者を直接呼び出せれば入れると考えがちですが、身分証持ち歩かない非常識な人間だと思われてしまうと、マイナスイメージにもつながります。先方に余計な手間をかけさせないためにも、身分証明書を忘れないように注意しましょう。
筆記用具
面接の前に簡単なアンケートやSPIテストが実施されることもあります。また、面接の後に次回のスケジュールが伝えられることがあります。その際、すぐメモを取れるよう筆記用具は忘れないようにしましょう。
モバイルバッテリー
スマートフォンを活用する人ほど、必ずモバイルバッテリーも一緒に持ち歩いておくべきです。スマートフォンの充電が十分でなかった場合、相手の連絡先や場所がわからず焦ってしまうこともあります。家を出る前に十分に充電しておきたいものですが、モバイルバッテリーがあれば安心です。
地図
駅から面接先までの地図も、プリントアウトして持っておきましょう。スマートフォンがあれば十分という人もいるかもしれませんが、二重の備えとして印刷した地図があると安心です。
面接時の遅刻は大きなマイナスポイントとなります。地図で最寄駅の出口を確認し、乗り換え情報などもきちんとチェックしておきましょう。
まとめ
この記事では、名刺の受け渡しをどうすればいいかなど、転職の際の面接に関する基本的なマナーのチェックポイントを紹介しました。
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