管理職の転職理由の例を紹介!
転職成功のコツから面接時のポイントまで解説

管理職 転職 理由

管理職の転職活動は、一般社員からの転職や新卒の就職活動とは状況が異なります。特に転職理由を尋ねられた場合、管理職が有するマネジメントスキルや経験は数値で計れないため、適切な回答をしなければ不採用につながってしまいます。管理職の求人ともなれば給与や待遇などが一般職の条件とは異なるため、この点においても回答は異なってきます。とはいっても、具体的にどのように回答すればいいのかがわからない方もいるでしょう。

この記事では、管理職の転職理由の回答例から、面接時のポイントまで解説します。正しい対策をとることで、転職活動を有利に進めましょう。

企業が面接で転職(退職)の理由を聞くのはなぜか

面接官は転職理由と自社の状況とを照らし合わせて、自社との相性をチェックします。たとえば、残業が多い会社の場合は残業が嫌で転職した応募者とはマッチしません。転職理由を尋ねるのは、マッチングのミスを防ぐためです。

また他の理由としては、転職の理由となったことについて、解決するために応募者がどのような対処をしたのか確認するためです。責任は会社や同僚にあるとし、被害者意識にとらわれている場合は、組織人として責任感が足りないと判断されてしまいます。

管理職として転職するのは難しいといわれる理由

管理職が転職活動をする場合、再び管理職として採用されるのは難しいとされています。ではなぜ難しいのでしょうか。

これまでの経験や実績の評価がしにくい

管理職が多いのは40歳前後の方です。その年齢にもなると、さまざまな経験を積んでいます。その経験は、マネジメントスキルとして確実に身についているはずです。

ですが、これまで管理職として積んできたマネジメントスキルを他社が正確に測ることは難しく、せっかく積んできた経験を面接官がその場で把握することができないケースも多くあります。
そうなると、転職希望の一般職の40代の方と条件が変わらなくなってしまうのです。

条件がマッチングしづらい

管理職の転職となると、収入面でも妥協はしたくないものです。求人も管理職の募集を探すことになるでしょう。しかし、これが管理職の転職活動の大きな壁になります。 実は、管理職の募集は元から少ないため、なかなか見つけることができません。ライバルとなる管理職転職希望者も多いため、激戦を勝ち抜かなくては転職できないのです。

年齢による人間関係や健康面への懸念

40代くらいの管理職の転職の場合、年齢による問題も生じてきます。新人として入社した場合、自分よりはるかに若い上司の部署に配属されてしまうかもしれません。年下の上司でも、うまくやっていけることをアピールできればプラスの評価になるでしょう。

また、健康面や体力面を不安視される世代であることも要因のひとつです。肉体労働や不規則なシフトがある職場では採用が敬遠されるケースもあります。逆に、これまで健康で体調を崩したことがほとんどない場合は武器になるので、面接でしっかりアピールしましょう。

管理職の転職を成功させるコツ

管理職の転職を成功させるには、事前準備が肝心です。以下で事前準備のコツを解説します。

転職する理由を明確にする

前職を辞めた理由や新たな職場への志望理由など、転職する理由を明らかにすることで、転職活動が飛躍的に楽になります。また、前職を辞めた理由を整理することで、条件がマッチする企業を見極めることもできます。

実際に活動を開始する前に、転職理由を明確にしておきましょう。一般職の転職と同じような内容ではなく、管理職としての転職理由を述べることが大切です。

働きたい企業の情報を収集する

働きたい企業の情報を集めるのは、転職活動における基本中の基本です。管理職の転職活動の場合、異業種へ転職希望の方もいることでしょう。その業種の市場についても調査することで、面接時にスムーズに回答できるようになります。一般職と管理職では条件が異なる場合もあるので、その点についても情報収集するようにしましょう。

自己分析をしてキャリアを棚卸する

積んできたキャリアを理解してもらえないケースがあると前述しましたが、応募先の企業に理解してもらえれば強力な武器になります。公認会計士や簿記検定、マネジメント検定など管理職に有利な資格がある場合は、それらを前職でどう活かしたかがわかると良いでしょう。キャリアを棚卸した結果は明文化し、面接や履歴書でどのようにアピールするべきかをしっかりと検討しましょう

待遇など希望の条件を決めておく

希望の条件を決めておくことも重要です。その際には、「絶対に譲れない条件」と「妥協できる条件」を決めておきましょう。どこまで妥協できるかを決めておかないと、焦って悪い条件で入社してしまい、後悔することにもなりかねません。

管理職だからと厚遇を期待しすぎて、求人の幅をせばめてしまわないためにも、「譲れない条件」と「妥協できる条件」をはっきりさせておくことが肝心なのです。

転職エージェントを使う

しっかり準備して転職活動をすれば、十分上手くいくはずですが、それでも不安な場合は転職エージェントを活用しましょう。その際は管理職の求人にもアプローチ可能なエージェントを利用することが肝心です。 転職エージェントは転職のプロです。あなたのキャリアを効果的にプロデュースし、希望条件に合った企業を探し出してくれるでしょう。

管理職の転職理由を答えるときのポイント

管理職の転職理由が、転職先の企業にとって重要なことは前述しました。では実際の面接で転職理由を尋ねられた場合、どのように回答すればいいのでしょうか。

退職の理由はポジティブに説明する

前の職場の悪口や不満を述べるのではなく、ポジティブな転職理由を語りましょう。面接官は「一緒に働いていけるかどうか」を見ています。特に転職先が前職と違う職種や業界だった場合は、管理職といえども新人と変わりません。不平不満を並べ立てたところでマイナスな印象しか与えません。

実際の転職理由がネガティブだった場合でも、ポジティブな理由に言い換えて伝えるようにしましょう。

嘘をつかず簡潔に説明する

転職理由について言いたくないことがあれば、無理して伝えなくても問題ありません。問題なのは、嘘をついてしまうことです。一度嘘をついてしまうと、後々つじつまが合わなくなったり、しどろもどろになったりする可能性があります。

管理職は経歴やスキルの厚さから、企業側の期待値も高いです。その分、マイナスな行動を取ったときの印象は一般職より目立つでしょう。書類や面接では嘘をつかず、必要なことを簡潔に伝えるようにしましょう。

自信をもって大きな声ではっきりと答える

どんな転職理由であっても、あなたのキャリアが揺らぐことはありません。自信をもって大きな声ではっきりと回答しましょう。

その際には、前職での管理職としての経験やスキルと絡めて簡潔に伝え、これまでの経験を次の職場でのマネジメントや企画立案などでどのように活かしたいか語るとさらに効果的です。特に管理職は自信と意欲が重要なので、よりよい印象を与えるためにも堂々と回答しましょう。

管理職の転職理由の回答例

管理職の転職理由を聞かれた際の回答例を紹介します。 実際にあなた自身が質問されたときの参考にしてください。

退職理由が「勤務形態の不満」の場合

勤怠形態の不満は、ストレートに伝えると面接官に「採用しても、またすぐに辞めてしまうのでは」という印象を与えかねません。勤務形態の不満が理由の場合は、不満という形ではなく、「改善しようと努力した」という部分にフォーカスして回答するといいでしょう。

回答例

以前の職場ではひとりひとりの業務量が多く、残業や休日出勤が毎週のように続いていました。アウトソーシングを活用し、正規スタッフが残業するよりも費用面でメリットがでるような改善策を何度も上司に提案したのですが、変化を嫌う会社の体質もあり、採用されることはありませんでした。

結果、今後の人生におけるライフワークバランスを考え、転職をすることにしました。



退職理由が「人間関係」の場合

人間関係はもっとも多くの方が考える転職理由です。しかし、ストレートに伝えてしまうと「扱いを注意しないと面倒なことになる人材」と捉えられてしまう可能性があります。退職理由が「人間関係」の場合、「転職先では、前の職場で実現できなかったことをしたい」という内容を盛り込んで回答するといいでしょう。

回答例

以前の職場は、年功序列でトップダウン型の経営方針をもった会社で、上層部にいくら提案しても採用されることはありませんでした。年齢ではなく、実力や評価に応じて仕事が任されるような環境でチャレンジしたく思い、転職を決意しました。

実力主義、成果主義を掲げる御社なら、他の社員と切磋琢磨しながら会社とともに成長できると考え、志望いたしました。



退職理由が「給与面の不満」の場合

給与面の不満は、ある程度ストレートに伝えても問題ありません。むしろ、遠まわしや濁して伝えると「煮え切らない人材」と思われるリスクがあります。ただし、以前の職場をネガティブに伝えるのではなく「今の自分の環境とは合わない」という形で伝えるといいでしょう。

回答例

直接的な理由は、前の職場の給与水準が低かったことです。現在の月収は○万円なのですが、先輩社員から話を聞いても今後大きな上昇は見込めませんでした。資格手当てやインセンティブなどの制度もなく、家庭をもつにあたり不安を感じたため、転職を決意しました。

業績に応じたインセンティブ制度がある御社で、将来の不安なくのびのびと売り上げに貢献できると考え、志望いたしました。



退職理由が「健康の問題」の場合

病気によりやむを得ず退職した場合、「今後も再発するのでは」と危惧されてしまう可能性があります。完治しているのならその旨を、治療を続ける必要がある場合は「勤務するのに支障はない」という医師の診断を伝えましょう。また、療養中はスキルアップのための勉強をしていたと言えば、さらに効果的です。

回答例

前職は病気療養のため、やむをえず退職しました。現在も治療は続けておりますが、医師からは業務には支障がないと言われています。

療養中の時間を利用して、スキルアップのために○○の勉強に励み、△△の資格を取得しました。前職で得た経験と、療養中に取得したスキルを活かし、御社の業績アップに役立ちたいと考えています。



まとめ

管理職の転職活動は、譲れない条件も多くなるため、一般的な転職活動より難しいとされています。しかし、転職理由や希望条件を明確にすることで、希望に合った会社に転職することも可能です。特に転職理由は、嘘偽りなくポジティブに伝えるようにしましょう。

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