転職活動の面接では、自己紹介を求められることが多いです。転職を成功させるためには、自己紹介を含めて面接でよい印象を持ってもらうことが重要です。
この記事では、転職面接での自己紹介の役割や必要なポイント、具体的な質問や回答例などを解説します。ぜひ参考にしてください。
転職面接での自己紹介の役割とは?
面接において面接官は、応募者のスキルはもちろん人柄についても見ています。人柄に関する部分を判断する方法として、面接の冒頭で自己紹介を求めるケースが多いです。具体的には、応募者がどういう人なのか、自社が求める人物像にマッチする人なのか、コミュニケーション能力はどれくらいあるのかなどを自己紹介から判断します。
自己紹介と自己PRとの違いは?
自己紹介と自己PRは異なるものです。自己紹介は自分の氏名や特技など、自分自身のことを簡潔に述べ、自分がどういう人間なのか相手に知ってもらうためのものです。これに対し、自己PRは自分の経験などから得られた強みを相手にアピールするものです。自己紹介を求められているにもかかわらず、自己PRをしてしまう人もいますので注意しましょう。
転職面接で話すべき5つのポイント
転職面接では、1~3分ほどの短時間で簡潔に自己紹介をするようにしましょう。その際、名前・略歴・仕事上の実績・応募企業への適性・強みを盛り込みます。自己紹介に盛り込むべき5つのポイントについて詳しく解説します。
名前
自分が誰であるかを伝えるために、まずは氏名を伝えます。これにより、面接官は応募書類と面接を受けている人が同じか確認することができます。相手の目を見て、しっかり伝わるように話しましょう。
略歴
氏名の次に略歴を述べます。応募者の多い企業などは、面接官が一人一人の履歴書や職務経歴書をじっくり見ている時間がありません。そのため、自分を理解してもらうためにも、会社名・職種・勤務年数などの経歴を簡単に伝えましょう。
仕事の実績
実績について話す際は、応募企業と接点のありそうな内容を選び、「売上げを120%達成しました」など数字で具体的に伝えます。また、課題の解決力があり、状況が変わっても実績を上げられる人間であることをアピールしましょう。実績を上げるために工夫した点などプロセスを簡潔に伝えるとよいでしょう。
応募企業への適性
応募者が優秀な人材であっても、応募先の企業にマッチしなければ採用にはなりません。そのため、面接官は「応募者が自社にマッチするかどうか」を知りたいと思っています。自分はどんな部分が応募企業にマッチしているか伝えるようにしましょう。
強み
自己紹介で伝える強みとは、応募先企業で仕事をするにあたって役に立つものであることが望ましいです。これまでの経験をもとに掘り下げて話をし、自分の強みが応募企業でどのように役立つのかまとめておきましょう。
自己紹介の回答例
面接官が自己紹介を求める際に言うことは、「自己紹介をしてください」だけではありません。「1分で」など簡潔さを求められたり、自己紹介と一緒に自己PR・実績・志望動機・退職理由などを求められたりすることもあります。
新卒や第二新卒の方は詳しく簡潔に自己紹介できることを目指しましょう。キャリアを多く積んできた転職希望者は、応募企業が即戦力をもとめている場合が多いので、マネジメントやリーダーシップなどコミュニケーションに関係する能力を紹介に盛り込み、理解と能力に幅がある人間であることを説明することが重要です。
それらの情報を踏まえた上で、自己紹介を求める際の面接官の言い回しを6つあげ、解答例を解説します。
自己紹介をしてください
「自己紹介をしてください」といわれた時のポイントは、簡潔に伝えることです。先ほど紹介した転職で話すべき5つのポイントに注意して、1~3分の内容にまとめましょう。
【回答例】
本日はお時間をいただきありがとうございます。○○(フルネーム)と申します。株式会社○○にてX年間法人営業に携わり、A業界向けの△△という製品を提案・販売してきました。
X年前からはリーダーとして部署全体の目標達成にも注力し、昨年度は目標達成率120%の結果を出すことができました。これまでの営業経験を活かして、御社でもチームメンバーや顧客に信頼されるよう一生懸命取り組みたいと思っています。
自己紹介を1分でしてください
「自己紹介を1分でしてください」といわれたときのポイントは、職歴を1分にまとめることです。志望動機や転職理由などは別に聞かれることが多いため、職務を簡潔に伝えるよう注意しましょう。
【回答例】
本日はお時間をいただきありがとうございます。○○(フルネーム)と申します。株式会社△△にX年間勤務し、営業に携わってまいりました。前職では、主にB業界の法人営業を担当し、●●という製品を提案・販売しておりました。どうぞよろしくお願いいたします。
自己紹介と自己PRをしてください
「自己紹介と自己PRをしてください」といわれた時のポイントは、1分程度の自己紹介に自己PRをプラスすることです。内容が長くなりすぎないよう注意しましょう。
キャリアを多く積んできた転職希望者は、マネジメントやリーダーシップなど、コミュニケーション能力をアピールすることが重要です。
【回答例】
本日はお時間をいただきありがとうございます。○○と申します。株式会社BにてX年間IT業界の法人営業を担当し、●●という製品を提案・販売しました。X年前からはリーダーとして部署全体の目標達成にも注力し、昨年度は目標達成率120%の結果を出すことができました。
粘り強さには自信があります。自分の売上げがあがらず苦戦したこともありました。しかし、毎週のミーティングでメンバーの成功体験を共有することでモチベーションを維持し、目標を達成することができました。この経験を活かし、御社でも営業として実績を上げたいと思っています。
自己紹介とこれまでの実績をお願いします
「自己紹介とこれまでの実績をお願いします」といわれた時のポイントは、トータル3分で話すことです。自己紹介1分に加え、実績の話を2分以内にまとめるようにしましょう。
スキルや実績は簡潔的に話して、担当者に「スキル関しては問題がない」と理解してもらうことが重要です。
【回答例】
本日はお時間をいただきありがとうございます。○○と申します。株式会社AにてX年間IT業界の法人営業を担当し、△△という製品を提案・販売しております。実績といたしましては、前年度の売上げ目標を120%達成し、営業担当30名中1位の売上げをつくることができました。成功要因は、顧客のニーズを的確に把握できたことにあると考えています。
XX業界はIT化が遅れているという情報を得て大手メーカーを訪問し、ヒアリングを重ねたところ、IT化を検討しているものの費用対効果を懸念していることがわかりました。そこで、どれほどの利益が見込めるかを具体的な数字で提案し、受注につなげることができました。
自己紹介と志望動機をお願いします
「自己紹介と志望動機をお願いします」といわれたときのポイントは、「自分の理想が御社なら叶う」と一貫性を持たせることです。1分の自己紹介をした後、簡潔に志望動機を述べるようにしましょう。
その会社で具体的にどうしたいのか、商品やサービスに魅力を感じたところ、応募先で自身のスキルや専門性をどのように活かせるのか具体的に述べることが重要です。
【回答例】
○○と申します。株式会社AでX年間、法人営業を担当してまいりましたが、より売上げと顧客満足度の高さを追求できる営業になりたいと考えていたところに御社の求人を拝見し、転職を決意いたしました。前職ではニーズを正確に把握し、それを解消するための方法+αの提案をお客様に評価していただいておりました。
御社は顧客満足を重視する社風だと伺い、これまでの経験を活かしつつ、私の追求する「売上げと顧客の満足の両立」が実現できると思い志望いたしました。
自己紹介と退職理由をお願いします
「自己紹介と退職理由をお願いします」といわれたときのポイントは、ポジティブな話で終わることです。退職理由のあとに「だからこうしたい」と付け加えるようにしましょう。
【回答例】
○○と申します。株式会社AにてX年間、法人営業に携わってまいりました。B業界の企業に対して△△という製品を提案・販売しておりました。顧客のニーズを的確に把握し期待に応えることで信頼を得て、売上げ目標120%達成という実績をあげてまいりましたが、今後は売上げだけでなく、より顧客満足度も追及できる営業になりたいと思い転職を決意しました。
これまでも、顧客の要望に対して●●するなどして対応してきました。しかし、前の職場は売上げ重視の傾向があり、なかなか受け入れない傾向がありました。御社ならば、売上げと顧客満足の両方を追求できると考えており志望いたしました。
転職面接での自己紹介の失敗例
転職面接で求められる機会の多い自己紹介ですが、準備不足や緊張などから失敗してしまう人も少なくありません。ここでは、よくある失敗例を紹介します。
自分目線で話す
「私は○○の経験が十分ありますので、御社を志望しています」と自分目線で話すのは、相手に尊大な印象を与えます。「私の○○の経験は、御社のお役に立てると思い志望いたしました」というほうが印象がよいでしょう。
キャリアを多く積んできた転職希望者の場合は、採用担当者の歳が自身より下の場合もあるので、相手に圧迫感を与えることがないように応対を心掛けましょう。
社内用語を多用する
キャリアを多く積んできた転職希望者の中には、自信があるためか社内用語を多用して、知識と専門性をアピールしてしまうことがあります。
「ブレストベースのアイディアをフィジビリで行ってみたところ、軌道に乗って120%の目標達成率でした」などと、社内用語を使って話しても、相手はよく理解できず内容を評価することができません。
この場合は、「メンバーでアイディアを出し合い、出たアイディアを試験的に行ってみたところ、売上げ目標を120%達成することができました」とわかりやすく話すようにしましょう。
長く話しすぎる
「略歴を教えてください」といわれて「X年に入社し、X年間○○に携わりました。その後、○○を担当し、○○も行いました。直近では○○に従事していまして、○○の経験もあります~」などと長く話してしまうと、プレゼン下手な印象を与えます。
要点をまとめて「X年に入社後、一貫して○○に携わっております。直近の経験は~」など、応募企業に関係あることを中心に簡潔に述べましょう。
プライベートの話が多い
「大学時代は○○で、入社後は○○してきました。○○が好きで、休日は○○をしています。友人からは○○だといわれます」など、プライベートばかり話す人がいますが。話せる実績がない、プレゼン下手、理解力が低いなどと判断され、面接を通過できません。
転職面接では、仕事に関することを中心に述べ、「休日の過ごしかたは?」などの質問をされたら、プライベートの話をするようにしましょう。
まとめ
転職面接での自己紹介について解説しました。自己紹介は、人柄やコミュニケーション能力をアピールするために非常に重要です。しっかり準備して転職活動に臨みましょう。
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