今の職場の給与面や人間関係の不満、新しい職場へのあこがれなど、漠然とした理由で転職を考えている方も多いと思います。具体的に転職活動をはじめようと思ったときに、転職理由を聞かれてどう答えればよいのかわからない人もいるでしょう。
この記事では、自分の考えている転職理由で活動を始めてもよいのかと思っている方に向けて、転職すべき理由や面接での解答例などを紹介します。
転職活動には明確な理由が必要
ただ漠然と転職したい、という気持ちがあるだけで転職活動を行っても、転職の成功にはつながりません。まず、なぜ今の職場を離れ、新たな職場に移ることを考えているのか、その転職の理由をしっかりと捉えられ、転職先に明確に伝えられることが大切です。
たとえば、将来のビジョンや目標がないのに、曖昧な理由で転職を検討しないようにしましょう。例えば、友人や同僚の転職体験を聞いて、なんとなく転職活動をしたとしても納得できる転職はできません。なぜその企業を選んだのか、そこでどう成長したいのか、自分だけでなく、志望する企業にも理解してもらえる明確な理由が必要です。
転職活動に入る前に確認すること
ただそのときの気分で転職したい、と考えても転職活動は成功しづらいです。一方で、明確な理由があれば、転職は成功しやすいでしょう。
転職活動に入る前に確認すべき4つのポイントを紹介します。
転職理由と志望動機が一致しているか
転職理由と志望動機は、どちらも転職活動時に回答を求められる質問です。転職理由では、なぜ自分が転職を決意したのかの理由を、志望動機はなぜその会社に応募したかの理由を述べます。
実際に選考での不採用の理由として「転職理由と志望動機が同じでないため」というフィードバックは多いです。応募先企業へ、退職理由と転職によって成し遂げたいことが一致、かつ明確に伝えられるかどうかをチェックしてみましょう。
転職理由を解決できるか
まず、転職をしようと考えている点は、「転職をすること以外で解決できないのか」を考えましょう。
たとえば、仕事が忙しく十分に休息がとれていない場合、疲労感から逃げ出すために転職を考えてしまうことがあります。この場合は、休息を取ることで解決できる余地があります。疲労感を安易に転職理由に結びつけず、先に自身の生活パターンを見直すことを考えてみましょう。
問題を自身の努力で解決できるのに、安易に転職をしてしまうとあとで後悔してしまうことがありますので、しっかり考えてから転職に踏み切りましょう。
転職で譲れない条件
転職の際に求める条件は年収、待遇、やりがい、環境など人によってさまざまです。すべての条件を満たせる職場を見つけられるのはなかなかありません。まずは自分優先順位をつけて、そのなかでも絶対に譲れない条件を決めるのがよいでしょう。
その上で、譲れない条件にあてはまる転職先へ応募することで、転職が成功に近づくことでしょう。
自分のキャリア、経験を見つめなおしてみる
今まで自分自身が積み重ねてきたキャリアや経験を見つめ直してみると、履歴書や面接でアピールできる強みをしぼりこめます。また、転職によってキャリアをリセットするのではなく、今までの自分のキャリアや経験を活かし、これから5~10年で、どのようにキャリア形成していくのかも考えておく必要があります。
そのために、転職前にしっかりと自己分析を行い、自分のキャリアや経験についてあらためて見つめなおしてみましょう。
転職の具体的な理由
転職の前に確認しておくべきことはたくさんあります。これらを踏まえて、転職理由は具体的に伝えるのが重要です。
転職の具体的な理由について、以下でそれぞれ解説します。同じ理由で転職しようと考えている人は、転職理由を具体的に説明できるように役立ててください。
興味のある仕事につくため
かねてより自分が興味のあったやりたい仕事に就くことは、ポジティブな転職理由になります。たとえば、今の仕事が端的でつまらない、やりがいがないなどの理由で転職する場合は、自分らしく働きたいなどのポジティブな理由がその裏にあります。
転職理由としては、「前職では実現することが難しかった〇〇に関する業務に就きたいと考え、御社でなら実現できると思いました」などと答えると納得性が増します。
目標にする自分を目指すため
今の仕事では十分なキャリアやスキルが積めない、将来性を感じないというネガティブな理由の裏には「目標にする自分を目指すため」というポジティブな理由が隠れています。
「希望のキャリア形成が前職のポジションでは見込めなかった」など具体的な転職理由に結び付けましょう。
面接時の転職理由の回答例
面接の際に、面接官が転職理由を聞くのは「採用後に企業で活躍してくれる人材か」「採用後にすぐに辞めてしまわず、長く勤めあげるか」を確認したいからです。そのためには、自分がどのように企業に貢献できるかを前向きに、熱意を持って伝えなければいけません。
面接官を納得させるためには転職理由と志望動機が一貫していることや、転職によって転職理由を解決できるかも重要です。次に、面接時の転職理由を具体的、かつ効果的に答えられる回答例を紹介します。
回答例|労働環境の改善
前職の労働時間ややり方など、労働環境の改善が転職理由の回答例です。
「現在の職場では残業が常習化しており、終電まで勤務することもあります。業務を効率化するためにツールの導入や適切な人員配置などのアプローチを試みましたが、変化を嫌う風土のため受け入れられませんでした。ワーク・ライフ・バランスへの取り組みを取り入れている御社なら、自分らしく働けると考え志望しました。」
回答例|キャリアアップ
転職でキャリアアップを目指す場合の転職理由の回答例です。
「前職は伝統や年功序列を重んじる職場であり、入社から8年間、尊敬できる先輩たちのもとで多くを学んでまいりました。自分も同じようにマネジメントスキルを身に付けたいという思いが強くなり、若手にも積極的にチャンスを与えてくれる環境へ挑戦したいと思い志望しました。」
回答例|キャリアチェンジ
転職によってキャリアチェンジを目指す場合の回答例です。
「前職では営業として多くのお客様と接する機会があり、その中でよりお客様の意見を取り入れた商品やサービスを生み出したい、という気持ちが芽生えました。○○を代表する多くの画期的なサービスを生み出した御社の企画開発部なら、今までの営業職で培った顧客の意見をしっかり取り入れて業務に活かす、という経験が役立つと感じ、志望しました」
環境的な理由で転職を考えている場合
自分自身のキャリアアップややりたいことへの挑戦ではなく、人間関係の悩みや会社の風土が古く正当な評価が貰えないなど、自分ではどうにもならない理由で転職を考えている人も多いでしょう
環境的な理由で転職を考えている場合の具体的な対処法や、どのような理由なら転職を進めるべきかについて順に解説していきます。
転職を前向きに進めるべき理由
転職理由を解決できる方法が転職以外にある場合は、そのときの感情で転職に踏み切ってしまうと、失敗してしまう可能性が高くなります。一時的な疲労やストレスの蓄積なら休息を取れば解決できますが、長期的に人間関係や精神的な抑圧で悩んでいる場合は、転職を前向きに進めるべきでしょう。
環境的な理由で転職を考えている場合で、転職を前向きに進めるべき状況とその理由を解説します。
人間関係の悩み
上司や同僚から不当な扱いを受けている、取引先からの圧力が強いなど、人間関係に悩み転職を考えている方もいます。人間関係の悩みは自分自身で解決するのは難しいため、同じ企業内で異動を申し出るか、思い切って違う企業へ転職するなど環境を変えることも方法のひとつです。
自分自身に大きな負担やストレスがかかり続け、不安症、うつ病などの精神的な疾患になるリスクも高いです。人間関係の改善が見込めない場合は、転職を前向きに検討しましょう。
仕事のことで憂鬱になる
ノルマがきつく達成できないと評価が下がるだけでなく扱いがひどくなるなど、仕事をすることを考えるだけで憂鬱になる状態の人も、前向きに転職を考えてよいでしょう。よく「仕事が嫌だと感じて転職するのは甘えではないか」と考える方も多いですが、ほかの企業では同じ仕事をしてもやりがいがあったり、正当な評価を受けられたりすることも多いです。
仕事が憂鬱で、すでに心身に不調をきたしている場合にはすぐに転職に向けて動き出しましょう。
転職を踏みとどまるべき理由
転職、または退職の理由によっては、転職を踏みとどまるべき場合があります。代表的なのが「結婚」と「家族の介護」です。いずれも、ライフスタイルの変化による転職や退職を考える理由です。この2点が、なぜ転職を踏みとどまるべきなのかの理由を順に解説していきます。
結婚を機に転職を考えている
結婚を機に家庭との両立を考えて転職、または仕事そのものを退職して専業主婦(夫)になるかを考える人もいます。婚を機に転職や退職をすることで、今までの職場を手放すことで孤独を感じたり、収入が減ったり、自分で自由に使えるお金がないためストレスを感じたりすることもあります。
いちど退職することはその会社でのキャリアに終止符を打つことになります。自分自身が結婚後、どのようなキャリアを築いていきたいのかしっかり考えてましょう。
家族の介護
家族の介護のために転職、または退職を考えている場合も一度踏みとどまったほうがよいでしょう。特に一人っ子だったり、兄弟で自分だけ未婚だったりすると「自分が介護しなければいけない」と転職や退職を決めてしまう人がいます。しかし、介護中心の生活となってしまうことで社会との繋がりが薄れ、閉塞感を抱いたり、介護の頑張りを評価されないことがストレスに感じることもあります。
家族と分担や介護制度の利用を検討したり、仕事は時短やリモートワークで介護と両立できないかなど、ほかの解決方法を探ってみましょう。
まとめ
転職理由は人によってさまざまですが、転職したほうがよい場合と踏みとどまったほうがよい場合があります。転職前に理由と志望動機を一致させ、転職の理由を具体的に面接官に伝えられるようにじっくり考えてから行動に起こしましょう。
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