
もしあなたが転職を考えているのなら、なんとか余裕をもち、カウンセリングを受けることをお勧めします。
余裕とは、金銭的、精神的、時間的な余裕のことです。
もちろん、そんな余裕がある人は少ないと思います。
まして人間関係や職場環境に問題があって転職を考えているのであれば、なおさらです。
しかし、その状況であっても、私はあえて、できる限り余裕を創り、カウンセリングを受けることをお勧めします。
その理由を書きます。
キャリアカウンセリングとは
ここまでカウンセリングと書きましたが、カウンセリングとは精神療法のことなので、ここからはキャリアカウンセリングと正確に言います。
まずはっきりと申し上げておきたいことは、キャリアカウンセリングは本来、この世にあなたが生を受けてから今日に至るまでの様々な体験や経験を洗い出して、あなたの好きなものや得意だったものを思い出し、本当の意味でのキャリアデベロプメントを図ろうとすることであり、一般に理解されている適職診断とはそのスケールにおいて、全く意味が異なることです。
つまり、適職へのアプローチを、幸せな人生を送るための重要事項ととらえ、
あなた本来の好きな事、得意な事、仕事の準備(学校を含む)、世の中にどんな仕事があるか知る、適性について調べる、職種の決定、会社の決定、就職
という本来あるべき姿から再度とらえなおすということなのです。
一般的なキャリアアドバイスが適性検査程度から入ることと比較すれば、その違いは一目瞭然だと思います。
キャリアカウンセリングの勉強をした人は、知識としてカウンセリングの方法を知っていますが、なぜか実務になるとここまで深く掘り下げて相談に乗ってくれる人は非常に少ないと思います。カウンセリング以外の実務に追われて余裕がないのか、所属する会社の意向を意識してしまうためなのかもしれません。
中途半端なキャリアカウンセリングを受けるより自己分析
もし英語を読むことができれば、career counselling で英語サイトをご覧いただければ、本来の基本的な考え方を知ることができます。
しかし、本来のキャリアカウンセリングを行ってくれるところを見つけるのは困難かもしれません。
でも、あきらめてはいけません。
あなたは、自分で自分のキャリアカウンセリングをすればよいのです。
難しく考える必要はないので、私の推奨する方法をトライしてみてください。
歯医者さんだって、簡単な虫歯は自分で鏡をみながら削ることもあると言われているくらいなのですから、あなたにも必ずできます。
方法は簡単です。
大学ノートに書きだしてもいいし、非公開のブログに書いてもかまいませんが、逆年代式にあなたの人生での良かった出来事や思い出を書き出してみましょう。
まずは、学生時代から3歳ぐらいまでやってみましょう。
この作業は、自分が見た夢を記録する作業に似ています。
つまり、時間を置くとまた記憶の底に沈んでしまうのです。
なので、思い出したら忘れないうちに書き留めることを重視し、形式とか順番とかにこだわらないでください。
単に、あなただけにわかる暗号のようなメモであってもいいのです。
思い出すのも嫌なことがあると思いますが、それはキャリアカウンセリングの目的からするとスルーしてかまいません。
あなたが、ときめいて印象に残ったこと、あなたがほめられたこと、あなたが嬉しかったことを書き出していくのです。
熱心に取り組んで時間を忘れたような遊びとかも書き出します。
思い出を誘導するために、ヘルマンヘッセの「少年の日の思い出」などを読むのもいいです。
プルーストの「失われた時を求めて」は時間があれば読むことにしましょう。
この作業で、あなたは、自分自身が忘れていることを思い出し、顕在化させることができます。
この作業をつうじて、「私が本当にやりたいのはこんなことだったのかもしれない」という気づきがあれば、自分でキャリアカウンセリングができたと言えます。
この時、一つだけ注意点があります。
それは、この作業をする間に、不要なバランス感覚を捨てるということです。
本当にやりたいこと、好きな事をするということは、その他すべてを捨てることでもあるからです。
この点についていうと、あなたが優等生でない方が有利と言えます。
そして、本当にやりたいことが見つかった人間ほど強いものはありません。
たいていの困難や不利な条件をものともせず、突き進むことができるからです。
世の中で成功したと言われている人たちは、間違いなくこのプロセスを通っています。
そして、あなたは全身に力がみなぎることを感じるだろうし、シニアの方は20代の若さを得たと感じることでしょう。
転職の相談よりもカウンセリングを優先するべき理由について書かせていただきました。
少しでもお役に立てれば、望外の喜びです。