転職で一番大事なことは真の目的を明確にすること

転職で一番大事なことは真の目的を明確にすること


転職で一番大事なことは何かと聞かれれば、私は迷いなく真の目的を明確にすることと答えます。

真の目的とは、収入アップとかゆとりのある生活とかではなく、もう少し大きな意味で、人生の目的、何のために生きているのかといった根源的な問題まで踏み込んだ目的です。

ここさえブレずにしっかりした目的を持つことが出来れば、今の会社にとどまるべきか転職すべきか、あるいは、自分の適職とは何かなどという悩みが存在する余地はないと言い切れます。

逆に言えば、そうした疑問がある時点で、あなたには人生を俯瞰した意味での目的がないということになってしまいます。

なぜなら会社はどのみち変化していくからであり、その考え方にたつと、環境が変わればまた転職しなければならなくなるからです。

せっかく転職というイベントを思い立ったのですから、何のために転職するかを深く考え、明確にすることを強くお勧めします。

もし明確な転職の目的が持てれば、それだけで、転職もうまくいく可能性が飛躍的に高まります。

目的を持つことがいかに重要であるかについてと、どのようにしたら目的を持つことができるのかについて、以下でもう少し書いてみます。

人生で成功するかどうかは目的を持っているかどうかにかかっている

あなたも、これまでに、いろんな成功者の話を聞いたり本で読んだりしたことと思います

成功者の話には、一定の傾向があります。

典型的な話は以下のようなものです。

・特に秀でた能力があるわけではなく、むしろ学校の成績は振るわなかった
・ある時、あることに強い興味をいだいた
・そのことが気になり、調べたり、実際にやっている人に会いにいったりした
・家族や親は反対していたが、気にせず突き進んだ
・理解してくれる友人やアドバイスをくれる先駆者がいた

これは起業家の例ですが、サラリーマンだと少し事情が違うかもしれません。

なぜなら、あなたがもし、名の通った企業に勤めるサラリーマンだとすると、学校の成績も平均以上の優秀な方である可能性が高いからです。

学校の成績が優秀だったのでサラリーマンになったともいえるのですが、言い方を換えるとその状態は特に秀でたところがなく、ものごとをそつなくこなすけれども、

強い目的をもったり情熱にまかせて突き進んだりはできない人ともいえます。

自分の意思や意見よりも周囲とのバランスを重視し、大過なく過ごすことで安定を得ようとします。

しかし、まさにこのことが、優等生がトップになりづらく、人生での成功から遠ざける大きな理由でもあります。

そんなあなたは、成功者の話を聞いて、素朴な疑問を感じたことがあるはずです。

「どうして、あの人は、無数にある選択肢のなかから、たまたま知った〇〇を選び、あそこまで没頭できたのだろう。」と。

これは、私自身も長らく悩ましく疑問に思っていたことでした。

なぜなら、私も優等生の端くれだったからです。

これは、私自身も長らく悩ましく疑問に思っていたことでした。

頭が良いので、余計なことまで考えてしまうわけですが、頭が良いことは、成功するためにはマイナスに働くことが多いことを知っておいた方が良いと思います。

特に私のように中途半端に頭が良いと最悪です。

すぐにいろんなことを理解するので、ますます自分が利口だと思い込み努力を怠ってしまうからです。

一方、頭が悪いと思っている人は、すべてが未知ではじめてのことなので、子供のような新鮮な気持ちで仕事に向かうことができるのです。

実は、この差が、あなどれない大きな差になっていくのです。

たとえば、好きな人がいて、相思相愛になり結婚したいと思ったとします。

実は、この差が、あなどれない大きな差になっていくのです。

しかしその人との結婚には、身分的な違いであったり、家族の反対であったりという強い障害があります。

この時、困難をものともせず結婚という目的に突き進む方法と、計画をたて目標を立てて少しずつ障害を取り除いていく方法とどちらが結婚というゴールにたどり着きやすいでしょうか。

これにはデータがないのですが、私は、なりふり構わず突き進む方法のほうがゴールにたどり着きやすいと思います。

目的があり、目的を最優先したほうが良い結果が出ることについては、米国のジャーナリストであるスラリー・プロトニック氏が行った調査があります。

プロトニック氏は、1960年にMBAを取得したビジネススクールの卒業生1500人を対象に以下の質問をしました

「今すぐ夢を追いかけるか、それとも先に経済的な安定に役立つ職業を選ぶか」

それに対し、1245人(83%)の学生は、「経済的な安定を確保してから夢を追いかける」と回答しました。

「すぐに夢を追い、お金のことは後で考える」と回答したのは255人(17%)です。

そして、20年後の追跡調査の結果、1500人の卒業生のうち、101人が富豪といえる成功をしていました。

その内訳をみると、なんと成功者の101人のうち、100人は、「すぐに夢を追い、お金のことは後で考える」と答えた人たちだったのです。

夢を追いかけることを優先することで、実に40%近くの成功率という驚異的な高さで成功しています。

一方、「経済的な安定を確保してから夢を追いかける」と回答した1245人のうち、富豪になったのは、たったの1人です。

繰り返しますが、安定してから夢を追いかけるというスタンスでは、1245人のうち1人しか成功しなかったのです。

私は、この1245人のうちの大部分は、そもそも夢を追いかけなかったのではないかと思っています。

「夢を追いかけた」人たちは、すぐに、すべての時間と行動を夢の実現に役立つことに集中したのではないでしょうか。

私は、この1245人の人たちを批判しているのではありません。

これが世間一般の常識であり、悲しい現実だと思っているのです。

それと、人間は、やらないことに対する言いわけは天才的ともいえる才能を発揮します。

おそらく、安全を優先する脳が指令を出しているのです。

・家族を養うのが第一優先だから、やりたいことができない
・私の本当の才能は、こんな仕事をすることではないが、状況が許さない
・退職してからでも遅くはない
・趣味でやればいいではないか

などなどです。

ですが、残念ながらこれらはすべて言いわけです。

一方、成功者は例外なく目的をかなえるためには関係のないことをやらない点で徹底しています。

意味のない付き合いとか飲み会とかは、真っ先に排除します。

私の尊敬する本田宗一郎氏は、技術を学ぶために専門学校に通いましたが、自分の求めているものを習得すると、さっさと中退して本業に戻っています。

社長というタイトルにも何の意味も感じず、死ぬまでレースにこだわった生き方をあなたはどう思うでしょうか。

同じく死の前日まで舞台に立っていた俳優の方もたくさんいますが、これが、目的のある生き方なのです。

転職を人生のなかで、どのような位置づけで考えるかも個々で違うと思います。

しかし、なんらかの夢を実現するために転職すると考えれば、目的が明確であればあるほど成功率は高くなることが、このことからもわかると思います。

目的がはっきりしている人ほど強いものはないし、明確な目的を設定すると、脳はそこに向かってフル回転し始めます。

就職活動でも、もしあなたの目的があいまいな場合、あなたは、あなたより学歴や年齢、キャリアで数段劣っているのに目的が明確である人に採用において負けるかもしれないのです。

目的がどうしても持てない人はどうすればよいか

あなたが転職する目的として、生きる目的レベルの強さをどうしても持てない場合はどうすればよいでしょうか。

私は、この悩みが多い気がしてなりません。

少しでも名の通った会社に行きたい、ブラック企業から脱出したい、最低でも土日は家族と過ごしたい、もう少し安定し給料もあげたい、もっとやりがいのある仕事がしたい、

今の仕事に将来がないなどが直接的な現在の転職理由であり、自分でもそう思い込んでいる場合も生きる目的レベルの強さがないと言えます。

しかし、仮にそうであったとしても、私は、あなたにとっての仕事とは何かという本質的な問題について考えて欲しいのです。

休暇を取って長めの旅にでてみるとか、一人で森を散策するとか、自分の心臓の音や息が聞こえるぐらいの静けさのなかで、自分と向き合ってみましょう。

「あなたはなぜ転職したいのか」
「あなたの本当にやりたいことは何なのか」
「あなたは、あなたの人生をどうしたいのか」
「あなたは、何も考えていないのか」
「あなたは、これまで人のために何をやったか」
「あなたは、これから人のために何ができるのか」


こうした質問を自分にしてみて、あなたの真意を探ってみましょう。

それでもわからない場合は、現在の仕事を本気で人が変わったようにやってみるしかありません。

そこで始めて観えてくるものがあるはずです。

もし幸いにも無職であれば、転職活動と並行して、短期のアルバイトや派遣でいろんな仕事をやってみましょう。

この場合、なるべくこれまでの経験とは無関係なものを積極的に選んでみることがポイントです。

そして、本気で、人の倍は働くつもりで頑張ってみるのです。

目的探しとは自分探しに他なりません。

人生の成功をにぎる鍵は、頭の良さとか生まれた家とか才能とかではないのです。

そして目的探しに、遅すぎるという事は絶対にありません。

朝に道を聞かば夕べに死すとも可なり(論語)なのです。

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