転職回数が多いと、以前と同様に入社してもすぐにやめてしまうのではないかと、採用担当者からネガティブな印象をもたれてしまい、内定の獲得が難しくなってしまう場合もあります。しかし、職務経歴書の書き方次第では、転職回数の多さに起因する悪影響を最小限に留めることができます。
この記事では複数の会社を経験してきた人に向けて、マイナスの影響を及ぼさない職務経歴書の書き方を解説します。
職歴経歴が複数社ある場合の職務経歴書の書き方のコツ
ここでは、職務経歴が複数社あることを応募先企業にポジティブに受け止めてもらえる職務経歴書の書き方を解説します。
転職理由はポジティブな内容で
複数の職務経歴があるということは複数の会社を退職しているということです。不満があったために勤めていた会社を退職したと書いてしまうと「採用しても、不満などがあったら今回もすぐに退職してしまうかもしれない」と採用担当者に疑念を抱かれてしまう恐れがあります。
そのようなことを避けるためにも、なぜ退職したかという理由は、ポジティブな言葉で説明できるようにしましょう。スキルを磨き、キャリアアップを果たすための転職だったということをアピールできれば、転職回数はマイナスイメージにつながりにくくなります。
なにをアピールしたいかをハッキリさせる
採用担当者は求職者のスキルや経験、ポテンシャルを職務経歴書から読み取り、自社にどのように貢献できる人材であるかを判断しようとします。そのため職務経歴書は、身につけてきたスキルや経験を明確にアピールできるものでなければなりません。
スキルや経験も、単に事実を羅列して述べるだけではなく、「何を考えて課題を解決したか」など、仕事への考え方や姿勢が見えるように書くと、採用担当者により強く熱意をアピールできます。
職歴はすべて記載する
転職回数が多いと、すぐにやめてしまうのではないかとネガティブなイメージをもたれやすく、どうしても転職活動に不利になる可能性があります。職務経歴書には職歴をなるべく少なく記載したいと考えてしまいがちですが、職歴は正確にすべて記載しましょう。職歴を少なく記載して入社した場合、雇用保険などの加入履歴から実際の職歴が発覚して、虚偽記載として大きなトラブルに発展する恐れもあります。
また、応募している職種とは直接関係がないと思われる職歴もなんらかの理由で評価される可能性もあります。そのことからも、職務経歴書にはすべての職歴を記載するようにしましょう。
業種の数で書き方を変える
複数の業種を経験している場合と、ひとつの業種で転職してきた場合とではアピールの仕方が変わってきます。
企画や営業など多くの業種を経験してきたならば、適応力の高さなど、人材としての総合力をアピールしていくべきです。多方面で活躍してきたことをポジティブな言葉で語りましょう。
ひとつの業種を長く続けてきたなら、積み重ねてきたスキルや経歴によって、即戦力として活躍できることをアピールしましょう。
職務経歴書の見本
ここでは職務経歴書の記入の仕方を、例を示しながら解説していきます。
書式1:編年体式
編年体式では、職務経歴を時系列に沿って記載します。どのような職歴を経て現在に至ったかが一目瞭然になるため読む側にとってもわかりやすく、職務経歴書の書き方としてはもっとも一般的な形式です。
この形式は、1社目から現職に至るまで職務内容が一貫している場合は、職歴を重ねるにつれてスキルや経験を積み重ねてきたことをアピールしやすくなるメリットがあります。また、他業種への転職によってキャリアアップを果たしてきたとアピールしたい場合にも編年体式の記述が向いています。
ただし、即戦力として活躍できることを示すために、もっとも強調すべきである直近の実績や経歴が最後にきてしまい、インパクトが薄くなってしまう点がデメリットです。また、転職回数の多さを印象づけてしまうデメリットもあります。
【書き方の見本】
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・経歴
2006年4月~2012年3月
甲ソフトウェア株式会社
業務内容:ECサイトの構築・保守、ソフトウェア開発
資本金:xx万円
年商:xx億円
従業員数:xx名
担当業務:営業担当として、法人顧客のアフターサービス業務に従事
2012年4月~現在
乙インフォメーション株式会社
業務内容:ソフトウェア開発
資本金:xx万円
年商:xx億円
従業員数:xx名
担当業務:契約法人企業の専任担当者として、サポート業務や新規案件の提案営業を担当。x年間でx社、x億円を受注。
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書式2:逆編年体式
中途採用では、企業は即戦力として活躍できる人材を求めます。逆編年体式は直近から過去へとさかのぼって経歴を記していく方式であり、以下の項目のような、現時点で自分にどれだけの能力を有しているかを特にアピールしたい場合に有効です。
・現職で応募職種と共通した業務に携わっている
・現職で目覚ましい実績をあげた
・転職先で有効に使える資格やスキルを獲得した
・転職先でも有効に働く人脈を現職で築いた
逆編年体式は、直近の情報を最初に提示することで、入社直後からすぐに業績に貢献できる有用な人材であると印象づけやすくなります。多くの経歴をもつ方が、直近の経歴やスキルを活用して転職活動をする場合に有効な記述方式です。
【書き方の見本】
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株式会社アルファ設計
事業内容:店舗デザイン・設計、施工管理
設立:19xx年
資本金:xx万円
売上:xx億円(201x年度)
従業員数:xx名
非上場
2013年4月~2015年3月
担当業務:飲食店や小売店の新規出店時や店舗改装時のデザイン
2015年4月~現在
担当業務:飲食店や小売店の新規出店時や店舗改装時のデザイン・顧客企業との折衝
株式会社ベータデザイン
業務内容:店舗デザイン・設計
設立:19xx年
資本金:xx万円
売上:x千万円(201x年度)
従業員数:xx名
非上場
2004年x月~2013年3月
担当業務:飲食店や小売店の新規出店時や店舗改装時のデザイン
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書式3:キャリア式
キャリア式では、どの時期にどこの会社に属していたかという時間の流れではなく、職務の種類や分野、携わったプロジェクトごとにまとめて経歴を記述します。
応募先企業で必要とされるスキルや経験をクローズアップして訴えることができ、自分の能力をわかりやすくまとめやすい形式です。ただし、編年体式などと比べると時間の経過がわかりづらいため、携わった業務を紹介する際に時間経過を併記する必要があります。
専門性の高い技術系の職種や、IT系エンジニアなどが自分の強みをアピールしやすい形式です。スキルやキャリアアップのために数多く転職をしてきた方におすすめです。
【書き方の見本】
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・労務管理業務
2014年4月~現在
A株式会社
業務内容:レストランチェーン「〇〇」の運営、およびフランチャイズチェーン展開
設立:19xx年
資本金:xx万円
売上:x億円(201x年度)
従業員数:xx名
東証一部上場
担当業務:就業規則の作成・改定、労働基準監督署への提出書類作成、労災保険適用手続き、給与計算システム運用
・人事管理
2003年4月~2014年3月
B株式会社
業務内容:携帯電話契約・販売代理店業務、およびユーザーサポート
設立:20xx年
資本金:xx万円
売上:x千万円(201x年度)
従業員数:xx名
非上場
担当業務:人事評価精度の企画・運用、新卒・中途採用業務
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自己PR文の書き方
自己PRでは、経歴だけでは伝えきれない強みや、自分がどのように貢献できるかを記載します。自己PRを記入する際の注意事項は次のとおりです。
・自分のスキルとキャリアを棚卸しする
・どのように貢献できるかを伝える
・仕事への姿勢や考え方を述べる
・これまでの経歴における成果をアピールする
・箇条書きで要点を端的に伝える
【書き方の見本】
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・顧客のニーズを汲み取るヒアリング力
わたしは顧客企業の担当者や実務者に対する徹底的なヒアリングを重視しています。顧客企業が抱える潜在的な課題を掘り起こし、提案型営業をおこなうことで顧客の信頼を勝ち取ってまいりました。
・問題を視覚的にわかりやすくするプレゼン力
顧客企業が抱える問題は、豊富な図表や行程表を用いたプレゼンテーションにより顧客と開発チームの間で認識を共有できるようにしています。
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まとめ
転職回数が多いと内定獲得に不利に影響してしまう可能性は否めません。しかし、職務経歴書の書き方を工夫し、転職経験をポジティブなものとして訴えていくことができれば、悪い印象を最小限に抑えることができます。
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