職務経歴書の「職務要約」とは
書くときのポイント・職種ごとの例文も紹介

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転職活動の最初の関門は書類選考ですが、その書類選考の中でも最初に見られるものが職務要約です。いわば「つかみ」というべき重要なものです。

どのように書けば書類選考を通過できるのかわからず、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。この記事では、職務要約の書き方のポイントや、職種別の例文などを紹介します。

職務経歴書の職務要約とは?

職務経歴書とは、その人の過去の仕事内容を詳細に記したものです。履歴書が基本的なプロフィールを書くものであるのに対し、職務経歴書はこれまでに経験した業務の内容について具体的な内容を書く点が異なります。

職務要約とは、その職務経歴書の冒頭に書く「内容の要約」です。職務経歴書は過去の実績を詳細に書くため、情報量が多くなります。それを短く簡潔にまとめたものが職務要約です。

職務経歴書になぜ職務要約が必要なのか

職務経歴書のはじめに職務要約を入れるべき理由は主にふたつあります。 ここではその理由について解説します。

職務経歴書すべてに目を通す時間がない

どの企業でも採用担当者は多忙です。多くの業務の合間を縫って、応募者の書類選考を行っています。すべての応募者の職務経歴書を確認する時間が限られる担当者も多いく、職務要約だけを読んで職務経歴書を読むかどうか判断することが多々あります。採用担当者に職務経歴書をしっかり読んでもらうためにも、職務要約が必要なのです。

アピールしたい点を目立たせるため

採用担当者や面接官に自身がアピールしたいポイントを職務要約にまとめておくことで、面接がスムーズに進みます。

もちろん、アピールポイントは応募先企業側にとって有益なものでなくてはなりません。応募先企業の企業研究を必ずおこない、短時間で自分自身を理解してもらうためにも要点を絞って職務要約を書きましょう。

職務要約を書く前の準備

職務要約を書く前の準備は、下記のような流れで行います。

(1)これまでのキャリアを書き出す
(2)特別な経験・実績を詳しく書き出す
(3)PRポイントを整理する
(4)応募企業ごとに内容を整理する

(1)は、履歴書の職歴欄を掘り下げるようなイメージです。 たとえば勤務先については、会社名だけでなく事業内容や職種か担当業務を書きます。これにより「どのような企業で経験を積んできたのか」が、より詳しく相手に伝わります。
(2)は、受賞歴や特殊なプロジェクトの経験などを書き出します。
(3)では、(1)と(2)の内容を整理します。ここまでの内容から言える自分の強みや、どのような点で努力してきたかなどをまとめましょう。
(4)は、(3)の内容を応募企業ごとに微調整します。「この企業はこの部分を聞きたがるだろう」という点を中心にして工夫します。

職務要約を書くときのポイント

職務要約を書くときのポイントは、主に4つあります。 ここではその4つのポイントについて説明します。

3〜5行で簡潔にまとめる

職務要約は3~5行(200~300字)程度でまとめるのがよいとされています。これより長いと読みづらく、短いと投げやりな印象を与えてしまうためです。

一読して理解できる文章量はおおむね200~300字程度とされており、この量でまとめるのがベストです。また、職務要約を適切なボリュームでまとめる能力は、企画書作成やプレゼンでも役立つことをアピールできます。

相手の興味をひくポイントを入れる

職務要約に限らず、人に何かを伝えるときには「相手の興味をひく内容を伝える」ことが重要です。まずは、応募先の企業や職種で求められるスキルや人物像などを考えましょう。そして、それらの内容と自身のアピールできるポイントが重なる点を、職務要約に盛り込みます。

異業種や未経験職種に応募する場合も、求められる人物像やPCスキルなど、その企業のニーズと重なる点を強調しましょう。

客観的な事実を書く

職務要約は、あくまで経歴という事実の要約です。そのため、客観的な事実だけをまとめ、自分の考えなどの主観的な表現は入れないようにします。これは、職務要約の説得力を高めるだけではありません。応募者自身が、個人的な感情に振り回されず、冷静に行動できるビジネスパーソンであることをアピールできます。

実績は具体的な数字で記載する

実績は具体的な数字で記載します。たとえば「新規事業を立ち上げた」という実績であれば、その事業が「いくらの売上や利益を出したのか」などの数字を盛り込みます。大きなプロジェクトなどの実績がなくても「5年勤続した」などの実績も立派な数字です。数字で表現できる部分は、できるだけ数字を盛り込むようにしましょう。

職務要約は転職経験のあり・なしで構成を変える

職務要約の構成は、転職経験があるかないかで異なります。 ここでは、それぞれのケースでの構成のポイントを解説します。

転職経験がない場合

転職経験がない場合は、2とおりのパターンがあります。

ひとつ目は「就職したことがある」ケースですが、この場合はその仕事での職務要約を書きます。書き方はここまで解説したとおりです。

ふたつ目は「就職自体したことがない」というケースです。例えば大学院などに在籍していた、海外でMBA取得のため学んでいた、などです。この場合は最終学歴について、その学業の中で経験してきたこと、実績などをまとめるとよいでしょう。

転職経験がある場合

転職経験がある場合、要約すべき職務経歴が「複数ある」ということです。その複数の経歴をすべて伝えることが効果的であれば、すべて伝えましょう。ただし、ボリュームが多くなりすぎるのはマイナスであるため、ひとつひとつの実績を通常よりも短くして伝えます。

「インパクトの大きい経歴が1社分だけある」という場合は、その実績に絞って伝えるべきです。また「応募先の業種に関連する経歴が1社分しかない」というケースでも、やはりその1社での経験のみに絞って伝えるのがよいでしょう。

職種ごとの職務要約の例文

ここまでで「職務要約の書き方はわかったが、自分の職種ではどう書けばいいのかわからない」という人もいるでしょう。ここでは、職種ごとの例文を紹介していきます。

営業職

株式会社○○に6年勤続しました。同社は士業のWebマーケティングをサポートする会社で、私は士業事務所に対する営業を担当しておりました。入社2年目では営業部全体でトップの成績をあげ、社内MVPとして表彰されました。3年目にはチームリーダーとなり、現在は10人の営業部員を統括する責任者となっています。また、昨年度はチームの売上目標120%を達成しております。個人での営業力、チームマネジメント力の双方で、御社のお役に立ちたいと願っております。

事務職

新卒から4年、株式会社○○にて一般事務に従事してきました。同社はデパートという性質上、お中元やお歳暮のシーズンに臨時の事務スタッフを採用しています。私が2年目から担当したプロジェクトは、その臨時スタッフによるミスを減らす仕組みづくりです。

新卒から4年、株式会社○○にて一般事務に従事してきました。同社はデパートという性質上、お中元やお歳暮のシーズンに臨時の事務スタッフを採用しています。私が2年目から担当したプロジェクトは、その臨時スタッフによるミスを減らす仕組みづくりです。

販売職

○○スポーツ専門学校を卒業後、●●株式会社の渋谷店にて8年間勤続しました。初年度はシューフィッターの資格を活かし、シューズ全般の販売を担当しました。結果、前年比140%の売上を達成し、社内表彰を受けております。

2年目以降は卓球の公認審判員など、スポーツの資格を多数取得しました。これにより、すべての売場をまかされるようになり、3年目には会社全体の接客コンテストで優勝しました。この実績が評価され、5年目からは渋谷店の店長として、アルバイト含め37人のスタッフのマネジメントを行っております。

経理職

株式会社○○(建設業/名証セントレックス上場/売上高60億円/従業員数1107名)の経理部門で8年間、経理を担当しております。簿記1級をはじめ、建設業経理検定1級などの資格を取得し、日々経理のスキルを磨いて参りました。業務では各種の財務諸表や開示資料を含め、あらゆる資料の作成を担当しております。

4年目からは後輩社員の指導も任されており、現在は3名の部下の指導とマネジメントも担っております。個人の経理スキルとマネジメント能力の双方で、御社の経理部門に貢献させていただきたいと願っております。

システムエンジニア職

2010年から2013年まで、飲食店とメーカー・卸業者をつなぐBtoB取引プラットフォームの設計・開発・メンテナンスを担当しました。2014年からはプロジェクトリーダーとなり、年間売上は2015年時点で1億2000万円と、この分野では国内トップレベルの規模となりました。使用言語はJavascript・Ruby・Swift・Pythonです。また、2017年からは部署を異動し、社内SEとしてさまざまな社内システムの企画・開発、インフラ整備に携わっております。

まとめ

職務経歴書の職務要約は、転職活動では最初の関門を突破するために重要なポイントです。応募先企業を研究し、面接に繋がるよう職務要約を書きましょう。

しかし、実際に上手なやり方がわからないという方もいるでしょう。そんなときは、転職コンサルタントのアドバイスを受けることをお勧めします。転職専門サイト「CAREECRE(キャリクル)」を運営するマンパワーグループは、世界最大級の総合人材会社です。圧倒的な求人数を誇り、大手企業、有名企業との豊富なパイプが強みです。

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