チームビルディングとは?
目的や効果・実践方法など基礎知識を解説

チームビルディング とは

チームビルディングとはチームに属する個人の能力やスキルを最大限に発揮できるチームづくりの取り組みのひとつです。チームビルディングを取り入れたいと考えているものの、詳細についてはよくわからない人もいることでしょう。この記事では、チームビルディングの目的やメリット、実践方法などについて解説します。チーム運営にぜひお役立てください。

チームビルディングとは?

チームビルディングとは、チームを構成する一人ひとりの能力や経験、スキルを最大限発揮できるチームづくりに向けた取り組みのことです。最終的な目標の達成に向けて、個々のスキルを尊重し合い、融合させることがチームビルディングのポイントになります。

チームとは?

チームビルディングでいう「チーム」とは、共通する最終目標の達成に向けて、そのメンバー一人ひとりが各自の役割を認識し、協力し合う組織のことです。「グループ」との違いは、目標や目的を共有していることにあります。

チームビルディングとチームワークとの違い

メンバー各自のスキルや経験を最大限発揮しつつ、成長することで最終的な目標を達成するのが「チームビルディング」です。一方「チームワーク」は、メンバーが協力し合い、目標を達成することです。メンバーが力を合わせ、効率的にタスクを完了する点が、「チームビルディング」との大きな違いといえるでしょう。

チームビルディングとチームマネジメントとの関連性

「チームマネジメント」は、チームの生産性を高めるため、チームリーダーがチームメンバーをマネジメントすることを指します。メンバーが協力し合えるよう、それぞれの個性を尊重しつつ、強みを見つけていくチームビルディングは、チームリーダーの重要な役割のひとつであり、チームマネジメントのためにも必要な要素です。

チームビルディングの目的

チームビルディングを意識することで、どのような成果を期待できるでしょうか。ここでは、立場ごとの目的と、組織内で共通する目的について解説します。

組織内での立場ごとの目的

チームビルディングの目的は、組織内での立場ごとに異なります。会社において、経営層の目的はビジョンの共有によるメンバーの牽引ですが、マネジメント層の場合は、管理対象の目線を合わせて目標達成のための体制を作ることにあります。

中堅社員にとっては、マネジメント層と現場の橋渡し役をうまく務めるとともに、リーダースキルを育成することも重要な目的です。内定者や新入社員の場合は、主体性を養うとともに、社会人としての基本を身につけることが望まれています。

組織内で共通する目的

チームパフォーマンスを向上させる

それぞれの立場を越えて、組織内で共通する目的のひとつが、チームパフォーマンスの向上です。そのためには、チームを構成する一人ひとりの役割を明確にするとともに、チーム内の結束を深める必要があります。業務プロセスの可視化や相互理解を進め、チームワークが発揮できる環境をづくりとチームパフォーマンスを向上させましょう。

チームメンバーの関係を強化する

チームのメンバー間でコミュニケーションを強化することも大切な目的です。マインドセットが形成でき、業務の効率化やアイデアの創出につながるからです。メンバーの一人ひとりが、職場内で気軽に話せる人間関係を構築できれば、幸福感が増すと同時に、それぞれの理解が進み、互いを尊重しつつ仕事を進められるようになります。

チームビジョンを浸透させる

チームの一体感を生むためには、チームビジョンを浸透させることが重要です。新入社員の研修やプロジェクトのキックオフなどで行うチームビルディングでは、チームビジョンを浸透させ、その達成を共通する目標にしなければなりません。

また、経営者や役員を対象としたチームビルディングでは、特にビジョンの共有が目的になります。これによって、マインドセットが形成され、チームが一丸となって仕事を推し進めることができるからです。

チームビルディングにおける5段階プロセス「タックマンモデル」

チームビルディングにおける5段階のプロセスを「タックマンモデル」と呼びます。これは、チームビルディングの現状を把握し、効率的に推し進めるための流れを段階的に示したものです。ここでは、「タックマンモデル」のそれぞれのプロセスをわかりやすく解説します。

【段階1】形成期

チームが作られたばかりの段階を「形成期」と呼びます。メンバー同士、互いへの理解が不十分で、チームとしての目標も定かではありません。緊張感や遠慮が少なからずありますが、相互理解の重要性についても認識しています。相互理解のため、次の段階に進みたいという思いを抱いている段階ともいえるでしょう。

【段階2】混乱期

第2の段階が、メンバー間における意見の対立などが起こりやすい「混乱期」です。チームの形成から少しときを経て、メンバーの考え方の違いが明らかになり、互いの行動や発言に目が向き、対立が生まれることがあります。混乱期において相互理解を深め、チームの課題を解決するための助けとなるのがディスカッションです。

【段階3】統一期

「形成期」「混乱期」を経て、チームが安定する段階を「統一期」と呼びます。チーム内での役割や目標が共有され、一体感が生まれる段階でもあります。この時期に重要なのが、メンバーのスキルや能力を活かせる役割分担、メンバーそれぞれが納得できる目標設定です。そのためにも、リーダーは強いリーダーシップを発揮する必要があります。

【段階4】機能期

チームに一体感、団結力が生まれると、チームとしてうまく機能するようになり、一定の成果が見られるようになります。これが「機能期」です。チームとしてのパフォーマンスをより高め、機能期を持続させるために効果的なのが、メンバーに対するリーダーのサポートやアクティビティの実施です。

【段階5】散会期

プロジェクトが終了し、チームのメンバーが異動するなどして活動を終える段階を「散会期」と呼びます。この段階で、メンバー同士が互いに称賛し合えたり、チームの解散を惜しんだりする姿が見られるなら、チームビルディングは成功したと考えてよいでしょう。

チームビルディングの効果・メリット

チームビルディングを実施することで、さまざまなメリットを得ることができます。ここでは、チームビルディングの効果・メリットを3つにわけて解説します。

コミュニケーションが活性化する

チームビルディングにより共通の目標を設定することで、チーム内でのコミュニケーションが活性化します。会話量が増加することで、「報告・連絡・相談」の漏れが少なくなり、課題を解決しやすい状況が生み出されます。また、個々のノウハウが共有できる、悩みを相談しやすい環境ができるといったメリットも見込めます。

モチベーションが向上する

チームの一体感が生まれると、自分もチームのためになにかしらの成果を挙げたいといったモチベーションが生まれます。また、個々のモチベーションが上がることによってチームの成果に反映されます。また、チームの成果がさらなるモチベーションを生み、生産性の向上につながる好循環が生まれるのです。

アイデアやイノベーション創造につながる

チームに集った一人ひとりのアイデアや意見を発表し、融合していく過程で、メンバーは多様な価値観に触れることになります。他者のアイデアが新たなアイデアにつながり、チームや組織のイノベーションを生み出すこともあるでしょう。各自の創造性を磨くとともに、チームとしての新たな可能性を開くことにもつながります。

チームビルディングの実践方法

ここでは、チームビルディングを実践するための方法として以下の3つの項目をわかりやすく解説しています。

目標設定を行う

チームの方向性を定めるため、チームとしての目標を明確にすることから始めましょう。チームとしてすべきことや個々の目標が明らかになり、モチベーションを維持しやすくなります。ほかのチームとも協力しやすくなったり、チームとしてうまく機能するようになります。

メンバーの役割を明確化する

さらに、メンバー各自の役割を具体的かつ明確にしましょう。行動を起こしやすくなり、各々が最大限のパフォーマンスを発揮しやすくなります。結果として、チームとしての成果にもつながるでしょう。

メンバー同士の価値観を容認する

チームには多様な価値観をもつ人々が集まります。それぞれの価値観を容認することで、チームの結束力が高まります。その際、リーダーに求められるのは、メンバーをまとめてゴールへ導くファシリテーションスキルです。

チームビルディングを成功に導くためのポイント

チームビルディングを成功に導くためには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。ここでは3つのポイントについて、わかりやすく解説します。

チームメンバーが自発的に行動できる目標設定

チームとしての目標を明確化する必要性については先に言及しましたが、さらに重要なポイントは、チームのメンバーが自発的に行動できる目標を設定することです。強制的な目標を掲げても、チームとしての成果につながりにくいのが実状です。個々が取り組みやすく、自律的に行動できる目標設定を心がけましょう。

リーダーによる統率

チームビルディングを成功させるのに欠かせないのが、チームリーダーの統率力です。チームとしての行動や業務を個々に任せきりにせず、ミッションの理解をうながすこと、リーダーシップを発揮することで、チームに一体感が生まれます。個人の目標とチームとしての目標を統合するのも、リーダーの役割のひとつです。

適性を考慮したチーム編成

さらに、個々のスキルや関係性を考慮したうえでチーム編成を行うこともポイントです。人数合わせのチーム編成は、パフォーマンス低下などから不和を生じるリスクがあります。必要に応じてメンバーの入れ替えなども行いながら、適性を判断しチームを編成しましょう。

まとめ

ひとつのチームを編成する際、個々のスキルや経験を活かしながら活躍できる場を作り上げることが、チームビルディングの目的です。チームビルディングのメリットを享受し、目標が達成できる喜びを味わうためにも、職場選びは重要なポイントになります。

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